田中登の世界 性と愛のフーガ(6作品★入替制)
○田中登 '37年生。'06年10月4日没。鈴木清順、今村昌平、中平康などの名監督の助監督を歴任。日活がロマンポルノ路線に転換とほぼ同時に監督に昇進。耽美的作風で個性を発揮した。
●夜汽車の女 内気な姉と行動的な妹の美人姉妹に挟まれた男が巻き込まれるゲームのような恋愛。父親と家政婦の不義も重なり、華麗なる一族の暗部が鮮烈な色彩で描かれる。71分。
●(秘)色情めす市場 大阪・釜ケ崎のドヤ街にうごめく、どろどろとした得体の知れなさが魅力を放つ。ボロをまとって彷徨う娼婦(芹明香)が出会う、影のある青年を萩原朔美が好演。83分。
●江戸川乱歩猟奇館 屋根裏の散歩者 乱歩の隠微な輝きに田中登の観念的な資質が宿った一編。屋根裏を這い回り、節穴から覗くものと覗かれるもの。奇妙な退廃を石橋蓮司が体現する。76分。
●発禁本「美人乱舞」より 責める! 実在した責め絵師、伊藤晴雨。竹下夢二と同じ女をモデルにしながら真逆の姿を描いた晴雨の画集を下敷きにした物語。表裏一体の加虐性と被虐性が交錯し、デカダンスな妖しさと一触即発の緊張を漲らせる。83分。
●人妻集団暴行致死事件 三人の男に輪姦された挙句に殺された妻(黒沢のり子)の亡骸を抱き、悲嘆にくれる夫(室田日出男)の横顔と、のどかな田園風景が乱反射する傑作。96分。
●実録 阿部定 日本の猟奇史の中でも特筆される事件を、当事者の、吉蔵と阿部定のふたりの内面から描いた異色作。江角英明と宮下順子が一室に閉じこもる感触が鬱屈した世相をあぶりだし、ついにロマンポルノ史上屈指の傑作となった。76分。

2007
9/29(土) 夜汽車 20:50
  (秘)色情 22:10
9/30(日) (秘)色情 20:50
10/1(月) 屋根裏 20:50
10/2(火) 責める 20:50
10/3(水)・4(木) 人妻 20:50
10/5(金) 阿部定 20:50


当日券のみ
(1作品)
一 般 1200円
大学生 1200円
シニア 1000円
会 員 1100円

お二人以上でご来場の女性の方は、お一人1作品1000円に割引きます。
松本シネマセレクト「田中登監督の作家性」
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