『愛おしき隣人』『スウェーディッシュ・ラブ・ストーリー』
  ●愛おしき隣人 You, the Living ユーモラスでトボケたタッチの異色SF『散歩する惑星』(2000年)でカンヌ国際映画祭審査員特別賞を受賞したスウェーデンの異才ロイ・アンダーソン監督が、新たに贈る不思議な群像劇。一貫したストーリーは無いが、ひとコマ漫画を見るような味のある情景が次々と展開し、完結しないエピソードの中に人生の希望と絶望を描き出していく。
 たとえば……昼寝からとび起きて、爆撃機が襲来する夢を見た! とつぶやく男。公園で「誰も私をわかってくれない。ウンザリよ!」と嘆き、なだめる男を追い払い、大声でグチを話し続ける女。やがて、どこからともなく音楽が流れてきて、彼女のグチは歌となって響きわたる……。こんな短い小話の連続の中に、ストーリーとは別のつながりが生まれ、どこか愚かで、しかし愛すべき人々の日常がジンワリ胸にせまってくる。中でも一人の男が見た究極の悪夢の話と、ギタリストに恋する女が見た最高にハッピーな夢の話は、恐怖と歓喜に満ちたクライマックス。きっと長く忘れられないシーンになることだろう。
 約50のセットを造り、CG全盛時代に抗うような超ローテクで生み出された完璧な作品世界も大きな見どころ。街中でスカウトしてきたという出演者たちの存在感も抜群だ。94分。
●スウェーディッシュ・ラブ・ストーリー A Swedish Love Story ロイ・アンダーソン監督が弱冠26歳で撮り上げた、珠玉のデビュー作。ストックホルム郊外の療養所に祖父を訪ねた15歳の少年ペールは、そこで犬を散歩させている少女と出会う。彼女のことが頭から離れなくなったペールは、ある日、幸運にも再会する。少女の名はアニカ。ペールより一つ年下だった。ふたりは楽しいデートを重ねていく。幼い恋の行方は……?
 『ベニスに死す』の美少年ビヨルン・アンドレセンの出演にも要注目。114分。(旧題=純愛日記…'71年、94分版で日本公開。)

2008
6/14〜20
スウェーディッシュ 12:30
愛おしき 14:40
スウェーディッシュ 16:25
愛おしき 18:30

6/21〜6/27
愛おしき 10:30
スウェーディッシュ 20:15

当日券(1作品)
一 般 1700円
大学生 1500円
シニア 1000円
中高予 1200円
会 員 1300円
前売券(1作品)
一 般 1400円
大学生 1400円
会 員 1200円
当日券(2作品券)
一 般 3000円
大学生 2900円
会 員 2500円
 

当館窓口で前売券をお求めの方、オリジナルカードをプレゼント。
※前売券の販売は公開前日までです。
初日先着40名様、北欧ミニ国旗セットプレゼント。
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