●国道20号線 2004年の自主FESで観る者の度肝を抜いた『雲の上』。やくざな青年の破滅的な日々を、ざらついた手触りの8ミリフイルムにじっとりと刻みつけながら、その素晴らしさがあまりにも知られていない孤高の映画作家、富田克也監督。16ミリフイルムを使い、前作同様に生々しい日常を映像に焼き付けた『国道20号線』、2006年の自主FESでも上映済みだが、再編集版完成記念のレイトショー公開。ペドロ・コスタと富田克也を同時期に見られるなんて、幸運な大事件としか言いようがない。 パチンコ屋と無人金融機が目立つ郊外の国道沿いの風景に、だらけた日常に埋没した元暴走族の青年の姿が生々しく浮き彫りにされる。パチンコとドンキホーテとサラ金を往復する、楽しいことなど何もない無為な毎日。同様に鬱屈する、幼なじみのチンピラと、そんな日常に、風穴を開けようとするのだが……。78分。 |
2008 10/22(水) 〜10/24(金)
当日券 1200円均一 |
監督・編集 富田克也
脚本 相澤虎之助、富田克也
撮影 高野貴子、相澤虎之助
録音 石原寛郎
美術・小道具・スクリプト 川口明子
スチール 堀田真由子
出演 伊藤仁、りみ、廣野毅、村田進二 ほか
2007年 77分