●四川のうた 二十四城記 『プラットホーム』や『世界』などで、世界が注目する中国の俊英監督ジャ・ジャンクー。『長江哀歌』製作時に訪れた四川省で、彼は巨大な工場都市「420工場」の盛衰史を知る。それは、中国の近代化の流れと、文化革命、朝鮮やベトナムでの戦争の影、そして、経済開放が進む現在と直面する人々の物語でもあった。ドキュメンタリー映画の企画だったが、再現ドラマを融合させ、まさに、ジャ・ジャンクーにしか成し得ないスタイルの作品となった。工場で働き、その町で育った人々の記憶と向き合い、長い時を経た今も、生々しく現在と直結し続ける職場での出来事、青春時代の淡い恋、家族と行き違った苦い思い出を紡ぐ。正門に向けたカメラが捉える工場の出口の映像が繰り返し挿入され、時間の流れを雄弁に物語る。112分。 ●長江哀歌 三峡好人ヴェネチア国際映画祭グランプリ、キネマ旬報ベストテン外国映画第1位など、数々の栄誉に輝いた21世紀を代表しそうな傑作のアンコール上映。世界最大のダムを工事中で、少しずつ水没しつつある三峡ダム建設地で、錯綜する二組の夫婦の物語を深く静かに描く。 113分。 |
2009
※前売券の販売は公開前日まで。 |