●精神 『選挙』(2007年)で話題を巻き起こした想田和弘監督の長編第2作。前作同様にナレーション、テロップ、音楽を一切排したスタイルで、ある精神科診療所の日々を克明に描いた、傑出したドキュメンタリーだ。 外来の精神科診療所「こらーる岡山」には、様々な神経症を患う人々が通ってくる。その顔ぶれは老若男女幅広く、病気との付き合い方も様々。自殺未遂を繰り返している人もいるし、自らの哲学を深め、ユニークな名言を連発する人もいる。また偏見や誤解をなくそうと積極的にカメラに向かい語る人もいる。そうした患者達を受けとめるのは、診療所を設立した山本昌知医師。山本医師の個性的で人間味あふれる診療風景も見どころのひとつだ。また小泉政権の行政改革が、彼らの生活や未来の展望に暗い影を落としている状況も映し出される。小さな診療所を通して、大きく普遍的な世界に辿り着く、希有な傑作。135分。 ●選挙 2005年、川崎市議会議員補欠選挙に立候補した一人の候補者の選挙活動を追った、想田和弘監督の長編ドキュメンタリー第1作。政治活動にまったく縁がなかったものの、突然小泉・自民党から出馬することになった山内和彦(40歳)。古参党員の指導・叱責を受け、日々走り回る彼の姿から、日本の政治の現在が立ち現われる。今こそ必見の120分。 |
2009 8/29(土) 〜9/4(金)
9/5(土) 〜9/11(金)
9/12(土) 〜9/18(金)
※前売券販売は公開前日までです。 |