●妻の貌 川本昭人、1927年生まれ。長男誕生とともに購入した8ミリカメラで家族を撮影し始める。当時「小型映画」と呼ばれたアマチュア映画コンクールで入選多数。なかでも、原爆症に苦しみ、常に死と直面せざるを得なかった妻・キヨ子の姿を捉えた映像は、撮影こそが愛情表現だと言い切る彼自身の言葉のままの親密さに溢れ、同時に「戦後」という長い時間を生き続けるヒロシマの貴重な記録にもなっている。その集大成ともいうべき『妻の貌』では、「一粒の籾」「私のなかのヒロシマ」「お嫁さん頑張る」「ヒロシマに生きる」といった過去の自作の断片と現在の映像が重なり合い、パーソナルな映像の積み重ねが観る人の胸を打つ、切実な平和へのメッセージへと結実することを高らかに謳い上げている。異色にして異端。三世代にわたる家族の肖像が普遍へと突き抜けた、真摯なドキュメンタリー作品。122分。 |
2009 10/10(土) 〜10/16(金)
10/17(土) 〜10/23(金)
前売券 一 般 1400円 大学生 1400円 会 員 1200円 当日券 一 般 1700円 大学生 1500円 シニア 1000円 中高予 1200円 会 員 1300円 |
監督・撮影・編集 川本昭人
2008年 114分