○ソ連崩壊の混乱も収まらない頃、レニングラードの撮影所レンフィルムの特集上映が開かれた。ゲルマンがいた。アラノヴィッチがいた。まだ若いソクーロフがいた。中でも衝撃的な印象を残したのが、ヴィターリー・カネフスキー監督だった。50代半ばにして実質的なデビューをした、遅れてきた新人は、わずかな作品を残し、映画界から姿を消す。伝説の3部作、ここに復活! ●動くな、死ね、甦れ! 第二次大戦直後の日本人捕虜収容所。近くに住む不良少年ワレルカと、荒んだ彼の心を支える少女ガリーヤの繊細な物語。ワレルカのイタズラはエスカレートし、悲劇を招く。105分。 ●ひとりで生きる Une Vie Independante 前作から2年後に製作された奇跡の続編。ワレルカを取り巻く世界はさらに悪化。ガリーヤの妹ワーリャとの時間だけが、ささやかな平安を彼にもたらすのだが……。退学になり街を離れるワレルカは、同時に少年時代とも別れを告げる。柔らかなカラー映像が綴る哀切な97分。 ●ぼくら、20世紀の子供たち Nous, les enfants du xxeme siecle ロシア社会の混迷を鏡のように写すストリート・キッズを取材したドキュメンタリー作品。窃盗や売春、殺人をも犯す彼らの心に無垢な感受性を見いだすカネフスキーは、かつてワレルカを演じた少年パーヴェルと再会する。少女役のディナーラを伴う再訪は残酷な仕打ちなのか、救済なのか。未来に希望を託す84分。 |
2010 1/23(土) 〜29(金)
1/30(土) 〜2/5(金)
※前売券販売は公開前日までです。 ※三作品前売券は当館窓口のみの限定発売です。 ※同日に2作品以上ご覧になる一般・大学生の方は2作品目以降の当日料金から200円割り引きます。 |