蛇口から溢れでる澄んだ水。空と土を循環してきたその水は今、失われつつある。身近な、有料飲料水、舗装道路、宅地開発から、機械精製、巨大ダムまで……水源を標的にする社会システムが、石油(黒い金)ならぬ水(蒼い金)戦争を勃発させた。砂漠化を止め、おいしい水源を私たちの手でとり戻す、志クールな『ブルー・ゴールド』に加え、豊かで健全な生産過程を示唆し、地球のひとしずくとなるドキュメンタリー、未来の食卓(112分)、ジャマイカ 楽園の真実(86分)、おいしいコーヒーの真実(78分)を先行上映。 ●ブルー・ゴールド 狙われた水の真実 Blue Gold:World Water Wars 原作『「水」戦争の世紀』に、監督サム・ボッゾ、『時計じかけのオレンジ』のサイ・トリビノフ(製作)とマルコム・マクダウェル(ナレーション)、科学者、環境・グローバリズム・フェアトレードの研究者らが結集。理性的だが面白く、普通の人々の持つ根源的な力を信じさせてくれるドキュメンタリーだ。進行する地盤沈下、多国籍企業の水道民営化やアフリカの湖水干ばつ、米元大統領による南米水源地の買い占めなど、迫真のルポルタージュ。対照となる、有料飲料水工場に抵抗する米国民、各国の自営農家、水道民営化と闘ったボリビア市民らの意志が感動的だ。水を見直し、人類の共有財産の在り方を訴える、貴重な作品。90分。 |
2010
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