●倫敦から来た男 The Man from London ハンガリーの巨匠タル・ベーラ。7時間半超の『サタンタンゴ』を筆頭に、作品のスケールが破格。国際映画祭での受賞のみならず、ニューヨーク近代美術館やルーヴル美術館でも特集が組まれるなど、ジャームッシュやデイヴィド・リンチも絶賛するそのたぐいまれな才能は、現代芸術の最高峰に位置しているといえる。
「メグレ警視」シリーズなどのジョルジュ・シムノンの原作小説を大胆に映画化。霧深い港で、偶然に大金が詰まった鞄を手に入れた男を巡る物語を、重厚なカメラワークとミステリアスなモノクローム映像で綴り、観る者を幽玄の彼方へ誘う。ティルダ・スウィントンほか多彩な俳優陣が感情の深みを体現し、無意識が映画に禁じている因習をタル・ベーラは解放する。こんなにも映画が自由だったと改めて教えてくれる傑作中の傑作。138分。 ●ヴェルクマイスター・ハーモニー Werckmeister Harmonikaハンガリーの田舎町の広場で唐突に始まるサーカス。横たわる巨大なクジラ。プリンスと呼ばれる男の演説が人々を動かし、日常が少しずつ歪む。そして、革命が始まる……。145分。 |
2009
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