旧仏領インドシナが1954年、共産主義のベトナム民主共和国(北)と親米政権下の南に分断。1960年、南北統一を謳う南ベトナム解放民族戦線と、米国及び親米政権との間にベトナム戦争が勃発した。冷戦の最大陣営vsアジアの小国という結果の見えた内紛は15年にも拡大、米国内には敗北感と罪悪感が広がり、戦渦の背景でしかなかった市民意識を世界レベルで変えていった。同時に報道メディアの立脚点が対立したこの大戦は、現在も様々な映画作品によって問われ続けている。この2作品は対照的な手法で撮られたが、共に当時の社会に衝撃を与え、以後のドキュメンタリーや劇映画(『地獄の黙示録』『プラトーン』)まで、視点を一変させた傑作だ。●ハーツ・アンド・マインズ ベトナム戦争の真実 Hearts and Minds 現地取材、記憶を覚ますニュース映像、戦意高揚映画などを駆使し戦争の実像に迫る。家族を失ったベトナム人民の証言は今も胸うつ。マイケル・ムーアが最大の賛辞を贈る不朽の名作。上映抗議の渦中でアカデミー賞を受賞した。本邦初の完全版。112分。●ウィンター・ソルジャー ベトナム帰還兵の告白 Winter Soldier 泥沼化する戦争中、「戦争に反対するベトナム帰還兵の会」主催で、米軍の戦争犯罪と残虐行為を公開証言した“ウィンター・ソルジャー公聴会”の実録。ベルリンやカンヌで大絶賛されるが本国は、証言という壮絶な手法で継承される事実ごと、黙殺。近年、イラク戦争の帰還兵らの上映会で反響を呼んでいる傑作。95分。
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2010 7/31(土)〜8/6(金)
8/7(土)〜13(金)
前売券(2作品) 一 般・大学生 2400円 会 員 2200円 当日券(1作品) 一 般 1500円 大学生 1300円 シニア 1000円 中高予 1200円 会 員 1200円 |