○共通テーマで製作する女性監督作品を特集する企画「桃まつり」。プロ・アマを問わない多彩な人選も楽しく、毎回新たな発見に心躍る変幻自在な集団の第3弾となる今回のテーマは「うそ」。旧作のセレクションをあわせて13作品を4プログラムに分けての日替わり上映。虚実あい乱れる、意欲的な作品の数々をご覧あれ! 壱のうそ 唯一の3年連続登場の竹本直美監督の『迷い家』は、染谷将太と河井青葉競演の『雨月物語』風なファンタジー。名古屋在住の増田佑可監督は、突然掃除機と一体化してしまった女のその後を描く不条理喜劇『バーブの点滅と』。妻子ある年上の男と付き合う女が、彼の娘とほとんど姉妹のように心を通わせる時間を、映画芸術編集部で働く福本明日香監督が柔らかな冬のひだまりで追った『shoelace』。洞口依子がドサ回りのマジシャンとして、素敵にいかがわしいステージを怪演する『テクニカラー』は、『携帯彼氏』で長編デビュー済みの船曳真珠監督。計101分。 弐のうそ 朝倉加葉子監督が繊細な音声演出を施した『きみをよんでるよ』は、シーズンオフの別荘地で、訳ありな気配の歳の離れた男女と聾唖の別荘管理人のドラマ。名古屋出身の加藤麻矢監督の『FALLING』は、ダメOLを巡るイジワルコメディかと思いきや、異端の吸血鬼ホラームービーに疾走&暴走する。渡辺裕子監督の『愚か者は誰だ』は、野村宏伸と渋川清彦の自主映画らしからぬ顔合わせで、浮気調査に端を発する男と女の心理戦に巻き込まれる探偵物語で、ビルの屋上でのダイナミックなクライマックスで抜群の冴えを見せる。計70分。 参のうそ かつて共同生活をしていた芸術家志望の若者4人の10年後を過去と交錯させながら描く玉城陽子監督の『1-2-3-4』では、名古屋出身の映画作家でもある上馬場健弘が好演。井土紀州監督の撮影現場で出会って意気投合したという石毛麻梨子と大木萠が共同監督した『代理人会議』は、とある高校の間で起きた事件の善後策を相談する会議の模様を、呆れるほどの責任回避のシステムとしてカリカチュアにする。奈良から参加した安川有果監督の『カノジョは大丈夫』では、平凡なファミレス店員の日常に、中学時代に憧れていた女性が現れるが、言動とは裏腹に知られざる一面が次々と発覚する。福井早野香監督の『離さないで』のヒロインは『バカバカンス』の奥田恵梨華。スランプ中の小説家である彼女の元に、友人の死にまつわる手紙を小説にしろとのメッセージが届くのだが……。計108分。 肆のうそ 名古屋スペシャル!! 名古屋にゆかりのある監督の『Falling』と『バーブの点滅と』に加えて、過去の桃まつりの傑作をピックアップ! 母の死を契機に再会する姉妹と幼なじみの青年の交錯する記憶と感情を、美しい自然光の中で静謐かつリリカルに描く木村有理子監督の『daughters』。きつね退治のふたり組の大活躍を、うそとも本当とも紙一重な手際で描く片桐絵梨子監督の幻想譚『きつね大回転』は、初公開時に物議をかもした異色中の異色作。計97分。 上映イベント決定しました!! 8/7(土) 舞台挨拶 増田佑可監督、福本明日香監督、加藤麻矢監督、石毛麻梨子監督 8/8(日) トークイベント 〜桃監督 in 名古屋・うその報告書〜 増田佑可監督、加藤麻矢監督、渡辺裕子監督、玉城陽子監督、石毛麻梨子監督 8/9(月) 舞台挨拶 増田佑可監督、加藤麻矢監督、玉城陽子監督、石毛麻梨子監督、福井早野香監督、上馬場健弘(『1ー2ー3ー4』出演) 8/10(火) トークイベント 〜真夏の果実をまるかじり〜 大野敦子プロデューサー、増田佑可監督、加藤麻矢監督、石毛麻梨子監督 8/11(水) 舞台挨拶 石黒淳士、島なぎさ、河合ふみ乃、西村公一(『バーブの点滅と』出演)、増田佑可監督、ほか 8/12(木) 舞台挨拶 増田佑可監督、加藤麻矢監督、石毛麻梨子監督 8/13(金) 舞台挨拶 増田佑可監督、加藤麻矢監督、石毛麻梨子監督 |
2010
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