●死刑台のエレベーター Ascenseur pour L'echafaud 完全犯罪を目論んだカップル。しかし計画は、男がエレベーターに閉じ込められたことから破綻していく……。ヌーヴェルヴァーグの先駆けとなった、ルイ・マル25歳の監督デビュー作。音楽=M・デイビス。92分。 ●恋人たち Les Amants 『死刑台〜』に続いてJ・モローを主演に起用、サスペンスフルな前作から一転して、陶酔的な愛の世界を映像化した。90分。 ●地下鉄のザジ Zazie Dans Ie Metro 10歳の少女ザジの慌しいパリ巡りを、スラップスティック・コメディのタッチで描いた、ひたすら楽しい逸品。92分。 ●鬼火 Le Fleu Follet 人生に絶望した男の2日間の行動を追い、人間の深い孤独を凝視した、代表作のひとつ。緻密な演出とE・サティの冷やかなピアノ曲が、絶妙に響き合う。108分。 ●好奇心 La Souffle au Coeur あまりにも美しい母親(L・マッセリ)に、母と子を超えた愛情を抱く14歳の息子の物語。近親相姦という主題がスキャンダルを巻き起こしたが、おおらかさと気品を備えたマルらしい作品。118分。 ●ルシアンの青春 Lacombe Lucien 第二次大戦末期のフランス。ゲシュタポの手先として働くルシアンは、一人のユダヤ人の娘に心惹かれ、彼女を助けようとするが……。人間の心の弱さと尊さを鮮烈に描き出した、70年代の代表作。140分。 ●ブラック・ムーン Black Moon L・キャロルの「アリス」をモチーフに、森に中の屋敷に迷い込んだ少女の体験を、めくるめく幻想世界として描いた異色の傑作。92分。 ●さよなら子供たち Au Revoir Ies Enfants ナチス占領下のフランスを舞台に、少年たちの友情を描いた、後期の代表作。103分。 ●五月のミル Milou en Mai 母の葬儀に集まった一家の人間模様を、長男ミル(M・ピコリ)の視点から軽快に描いた、円熟期の一作。107分。 ○さる9月12日に世を去ったクロード・シャブロルを追悼して、代表作を2本上映。帰郷した青年と旧友との交流を通して、人の心の奥深くまで照らし出した不滅のデビュー作美しきセルジュ Le Beau Serge(97分)、パリを舞台に、性格も考え方も正反対の2人の青年の葛藤を描いたいとこ同志 Les Cousins(110分)。 |
2010
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