本家アメリカで西部へのロマンが衰退した60年代、イタリアでフェイク西部劇、スパゲッティ・ウエスタン(マカロニは日本の呼称)が多数、製作される。非情で残虐。その男クササを揶揄されながら、名スタッフや俳優(ジュリアーノ・ジェンマ、フランコ・ネロ、他)が築いた、善悪を超越した世界観の見事な完遂は、マカロニ出身のC・イーストウッドの傑作などに、今も息づく。映画史秘宝の6作品公開! ●続 荒野の用心棒 Django ぬかるみの荒野を、棺桶を引きずりながら登場する主人公(F・ネロ)。全編に異様な雰囲気が漂うマカロニタッチを確立した記念碑的傑作。92分。 ●怒りの荒野 I Giorni dell'ra 虐げられた若者(G・ジェンマ)が、銃の達人(リー・ヴァン・クリーフ)によってガンマンの才能を開花させる。109分。 ●さすらいの一匹狼 Per Il Gust di Uccidere 700mm望遠照準器付ウインチェスターを引っ下げ、駅馬車を護衛する一匹狼。主題歌「殺しの歓びのために」も大ヒット。88分。 ●ハチェット無頼 Mannaja ブームが沈静化した70年代後半の初公開作。ブレイド(マウリツオ・メルリ)は、斧で闘う賞金稼ぎ。ラストシークエンスはマカロニ史の神話に昇華。101分。 ●必殺の用心棒 Sugar Colt 南北戦争後、復員途上で行方不明になった北軍の狙撃連隊130名を捜索するシュガー・コルト(ハント・パワーズ)のスパイ物。97分。 ●さいはての用心棒 Per Pochi Dollari Ancora 拷問に遭い、盲目となった筈のG・ジェンマが、戦友を救うため敵(イーストウッド映画の常連ダン・バディス、仏の名優ジャック・セルナス)を殺していく。哀愁溢れるスコアは、ジャンニ・フェリオと巨匠モリコーネが共同作曲。96分。 |
2010
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