●ルイーサ luisa 映画先進国に閉塞感が漂う中、様々な地域の映画が頭角を現し、ラテン・アメリカからも社会や人を真摯にとらえたオリジナル脚本の傑作が紹介されている。アルゼンチン発の本作は、現在沸騰する中東の民主化運動に弾みをつけたエジプト、カイロ国際映画祭でも監督賞を受賞。映画は世界の共通言語であることを強烈にアピールする。 メランコリックな大都市ブエノスアイレス。夫と娘を失った後、飼い猫ティノと共に粛々と生きてきたルイーサ(レオノール・マンソ)。霊園の事務職と大女優の邸宅の家事をかけ持ち、猫の待つ小部屋とを往復する生活が、人生の後半生でふいに崩壊した時、自分のいる社会が初めて見えてくる……時に笑いを誘うしみじみした描写に加え、ドン底でもがきながら大胆に踏み出す主人公が大きな感動をもたらす。 スペイン語圏の巨匠L・ブニュエルのように現実と幻影を指揮する冴えた映像は銀残しでプリントされた。ストリート音楽家役で共演のスーペルチャランゴが生み出す演奏も豊かに響く。110分。 |
2010 4/9(土) 〜4/15(金)
4/16(土) 〜4/22(金)
当日券のみ 一 般 1500円 大学生 1400円 シニア 1000円 中高予 1200円 会 員 1200円 |
監督 ゴンサロ・カルサーダ
脚本 ロシオ・アスアガ
製作 オラシオ・メンタスティ、エステバン・メンタスティ、アントニ・ソーレ、ハウメ・ソーレ
撮影 アベル・ペニャルバ
録音 セルヒオ・ファルコン
楽曲 スーペル・チャランゴ
出演 レオノール・マンソ、ジャン・ピエール・レゲラス、マルセロ・セレ、エセル・ロッホ 他
2008年 110分