あまっちょろいラブソング
●あまっちょろいラブソング 始末のつかない青春をかかえながら生きる人々を、軽やかに、真摯に描いてきた宮田宗吉監督(1971年生まれ 愛知県出身)。前作『セバスチャン』に続く“吉祥寺で映画を作ろう!”プロジェクト第二弾、待望の登場だ。
 ナオミ(下石奈緒美)は、レストランでアルバイトをしながら、バンドで歌っている。長い付き合いの恋人・小林(山中崇)がいるが、その関係は最近少々マンネリ気味だ。そんな中、バンドのメンバーが相次いで脱退。ナオミも音楽活動は卒業し、普通の幸福を手の入れようと小林との結婚を決意するが……。
 共演は小林且弥、久住昌之、千葉ペイトンほか。自身もミュージシャンの下石の魅力が吉祥寺の街で光り輝く、充実の105分。



『あまっちょろいラブソング』
宮田宗吉監督に聞く


──この映画を作られた経緯と、本作でやってみたかったことを教えて下さい。
 2009年の吉祥寺のライブハウス合同イベント「INDEPENDENCE DAY」とコラボって作った前作『セバスチャン』に引き続いてまた2010年の「INDPENDENCE DAY」とのコラボ映画を撮ろうということになりました。
 バンドの話がいいなと思いました。『セバスチャン』も元バンドマンの出前持ちの青年の話でしたが、今回は現役バンドをやってる話にしようと思いました。バンドの解散と失恋は似てるなと思ってました。そんなことを話に出来ればと思いシナリオ書きました。ラブソングなんて嘘だと思った時期もあったのですが、だからこそいいのかなと思うようになってそういう映画を撮ろうと思いました。今までの『バカバカンス』『セバスチャン』同様パッとしない人達が出て来ますが、そんなパッとしない人達が出てくる映画がやりたくてまた今回もそんな映画を撮ってしまいました。
──主なキャストの起用の理由は?
 下石奈緒美さんは前々作『バカバカンス』の撮影の頃からの知り合いでバンドマンです。で、ライブもよく見に行っていて今回は役者の人がバンドマンの役をやるよりバンドマンが本当にやった方がいいと思ってお願いしました。役名もナオミにしました。どこまで下石奈緒美でどこからナオミなのか分からない感じになればいいと思いました。シナリオにも彼女から聞いたエピソードをまんま使ったりしてます。
 ナオミの恋人役の山中崇さんは『ぐるりのこと』とか『わたし出すわ』で見ていていい役者さんだと思ってたのでお願いしました。元カレ役の小林且弥さんは『せかいのおわり』という風間志織監督で僕が助監督した映画に出演していていいなと思ってたのでお願いしました。『せかいのおわり』の時はまだ少年っぽかったのですが、久しぶりに再会したら立派な青年になっていました。友達役の山田キヌヲさんは『ガールフレンド』という廣木隆一監督の映画を見た時からいいなと思ってたのでお願いしました。て、いいなと思ってお願いしました。ばっかり言ってますが、こんな小さな映画にこんな豪華なキャストが出てくれて本当にありがたいです。
──ハンブルグ日本映画祭に出品されましたが、反応やエピソードを教えて下さい。
 ハンブルグに行くかどうかは迷ってたのですが、行ってよかったです。こんな極東の島国のちっぽけな映画見に来てくれるのかなぁと半分負け犬気分で劇場に行ったのですが、90席ぐらいある劇場に入れずに帰った人がいるくらいの盛況でびっくりしました。別の映画と間違えて来ちゃったんじゃないかと今でも少し思ってます。
 ちなみに『あまっちょろいラブソング』の英語のタイトルは「SWEET SILLY LOVE SONG(スイート シリー ラブソング)」といいます。直訳すれば「あまくばかげたラブソング」でしょうか? このタイトルに決まるまでいくつか候補がありましたが、結果これになって良かったと思います。スイシリと一部で呼ばれてます(ごくごく一部で)。上映中反応を見てましたが結構クスクス笑うのに少し驚きました。笑いたいんでしょうか? 上映後の質疑応答で「この映画はアウトエンディングだけど他の映画もそうなか?」と聞かれました。「アウトエンディング」という言葉を初めて聞いたので 「何ですかアウトエンディング?」と尋ねると「結末がはっきりしてなくて見る人の想像に任せるようなエンディングのことだ」と言うので「何だそういうことか」と思い「ええ、いつもアウトエンディングです」と答えました。
 あと、ハンブルグとハンバーグは関係ないということが判明しました。それはナポリにナポリタンスパゲティがないのと同じことのようです。ハンバーグ食べる気満々で行ったのでちょっとがっかりしました。しかし、これは余談です。




2011
7/23(土)
〜7/29(金)

16:20
20:20


前売券
※前売券販売は7/22(金)までです。
一 般 1300円
大学生 1300円
会 員 1200円

当日券
一 般 1500円
大学生 1400円
シニア 1000円
中高予 1200円
会 員 1200円

オフィシャルサイト

監督・脚本 宮田宗吉
プロデューサー 松江勇武
撮影 馬場元
照明 太田博
録音 島津未来介
衣裳 江頭三絵
メイク 細倉明日歌
助監督 足立博、荒川慎吾、小林尚希
出演 下石奈緒美、山中崇、小林且弥、岡部尚、山田キヌヲ、廣田亮平、櫛野剛一、伊藤俊輔、千葉ペイトン、クノ真季子、田中洋之助、関根洋平、中村真綾、吉川靖子、中村はるな、奥田恵梨華、松永大輔、久住昌之 他

2010年 105分