宇宙貨物船 レムナント6


 それは危険な旅のはずではなかった。火星から地球に戻る、ごく普通の旅のはずだった。発端は小惑星との衝突だ。誰も予想できないパニックが小さな偶然から引き起こされる。孤立無援な宇宙空間で乗員たち5人のサバイバルが始まる。助け合わなければ生き残ることは出来ないのに、命令違反で拘束中の自衛官後藤(大和武士)は状況を的確にとらえているが、彼を護送する任務を頑なに守る滝沢と反目するばかりだし、航海士の宇野とクールに情報を分析するシステムオペレーターの明日香(田村翔子)は誠実だが、事態を切り開く行動力に欠ける。予想以上に損傷した宇宙船の最期は着実に迫る。破滅への時を刻むカウントはもはや止めようがない。
 日本では不可能と言われる近未来SFを、緊迫したサスペンス仕立てでタイトに演出したのは、万田邦敏。大学時代、黒沢清と並び称せられた異才が、ようやく劇場デビュー。また、総合監修には押井守。メカ・デザインには『マクロス』シリーズの河森正治。特撮監督には『ガメラ』の樋口真嗣、佐藤敦紀など、アニメ男の異才・鬼才が集結し、特撮部分はミニチュアを使わず、全てCG で処理。一作ごとに違った相貌を見せる J・MOVIE・WARS 最新作は、また新たな一歩を未来へと進めた。45分。

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