インディア・ソング India Song


「モデラート・カンタービレ」「愛人(ラマン)」などで知られるフランスの小説家マルグリット・デュラス。'96年3月3日永眠した彼女は、映画監督としても『ヴェネツィア時代の彼女の名前』『アガタ』など多くの傑出した作品を残した。中でも本作は、完成度、観客に与える感動の深さから、デュラスの最高傑作といわれる。
 '30年代のカルカッタ。白人社会の癒し難く、また魅惑的でもある倦怠の中、気品ある美しさで多くの男たちを惹きつけているフランス大使夫人を主人公に、狂気と死の誘惑、愛への渇望など人間の本質的な苦悩を、デュラス独特の美意識と映像美で官能的に綴る。主演デルフィーヌ・セイリグ、マチュー・カリエール。デュラスの葬儀でも流れたテーマ曲はカルロス・ダレッシオ。撮影ブリュノ・ニュイッテン。120分。【


 デュラス・スペシャル上映作品 
●ナタリー・グランジェ(女の館)Nathalie Granger
 あるブルジョワ家庭の午後のひと時を舞台に、静かに流れる女だけの時間に潜む暴力的な葛藤を描く。主演ルチア・ボゼ、ジャンヌ・モロー、ジェラール・ドパルデュー。83分。【

●オーレリア・シュタイネル Aurelia Steiner
 オーレリア・シュタイネルというユダヤ人の少女の架空の人生をモチーフに、映像と音の持つ力を存分に活用したデュラスならではの中編。メルボルン編(35分)、ヴァンクーヴァー編(48分)。【