『フリークス 怪物團』
フリークス-怪物團- Freaks 1920年代、ハリウッドのヒットメーカーとして次々とホラー映画の快作を生み出していたトッド・ブラウニングは、MGMの製作者アーヴィン・タルバーグから『魔人ドラキュラ』('31年)を超える恐怖映画の監督を依頼され、親友ハリー・アールズとともに長年暖めてきた企画を、遂に具体化することにした。公開後あらゆる人に嫌悪され、順風満帆だったブラウニングの映画人生を台無しにし、約30年間誰からも顧みられなかった映画史上唯一無二の奇作『フリークス-怪物團-』の誕生である。ストーリーは、見せ物カーニヴァルを舞台にしたシンプルな復讐劇だが、登場人物の大半が当時全米で人気者だった本当のフリークたちで、彼らの芸が映画のハイライトとなる。主演の小人ハリー・アールズをはじめ、生まれつき下半身のない“半分人間”ジョニー・エック、両手両足のない“生けるトルソー”プリンス・ランディアン、シャム双生児のヒルトン姉妹ら、銀幕を埋め尽くすフリークたちの姿は当時の観客を驚愕させ、ヒステリックな反応を呼んだ。しかし'62年のヴェネチア映画祭で再上映されて以降、フリークたちと同じ目の高さから撮られたこの作品のユーモアと衝撃は、逆に多くの人を魅了し、カルトムービーの代名詞として今に到っている。64分。
【モノクロ】