『魔人ドラキュラ』


魔人ドラキュラ Dracula 怪奇映画スター、ベラ・ルゴシを主演にすえ、トッド・ブラウニングが『フリークス-怪物團-』に先立って監督した作品で、後のドラキュラ映画の原点となった伝説的名作。19世紀末。若い女の生血を求め、トランシルヴァニアの古城からロンドンに移ったドラキュラ伯爵は、精神病院長の娘ミナに目をつける。伯爵は彼女の友人ルーシーを毒牙にかけて手先としミナに近づくが、ミナの婚約者ハーカーはヴァンパイヤ学の権威ヴァン・ヘルシング教授を招き、伯爵の秘密にせまる。B・ストーカーの原作を、映画に先駆け自ら舞台化し主役も演じていたルゴシは、満を持してのぞんだこの映画版で一躍スターの座を得、以後多くの怪奇映画に出演した。その晩年の姿が、昨年公開されたティム・バートンの『エド・ウッド』で愛惜をこめ描かれ、あらためて注目を集めた。74分。 【モノクロ】