暗殺の森 完全版 Il Conformista
パゾリーニ亡き後のイタリア映画を一人背負い、国際的な活躍を続ける巨匠ベルナルド・ベルトルッチ。『革命前夜』『ラストタンゴ・イン・パリ』『1900年』『ラストエンペラー』『魅せられて』など数々の傑作が並ぶフィルモグラフィの中でも、ひときわ名高い『暗殺の森』が、ベルトルッチ自身によって追加挿入された１シーンを加え“完全版”となって甦った。
アルベルト・モラヴィアの「孤独な青年」の映画化である本作は、少年期の記憶に苛まれるあまり異端になることを恐れて体制順応者であろうとする男を主人公に、'30年代のイタリアを飲みこんだファシズムの核心にせまり、その危険な魅力をも捉えたベルトルッチの代表作である。
ジャン＝ルイ・トランティニャン、ドミニク・サンダ、ステファニア・サンドレッリの主演トリオの見事なアンサンブル、官能的色彩と艶やかな光に満ちたヴィットリオ・ストラーロの撮影も、再びスクリーンで変わらぬ輝きを取り戻すに違いない。113分。
【カラー】