ガルシアの首 Bring Me the Head of Alfredo Garcia


 ヴァイオレンスの巨匠、最後の西部劇作家として、その孤高の映画魂への追悼をこめ、その名を聞くだけで多くのファンが今も胸を熱くするサム・ペキンパー(1925〜84)が、こよなく愛したメキシコを舞台に製作した本作品は、ウォーレン・オーツ、クリス・クリストファーソン、エミリオ・フェルナンデスというアメリカ映画史でハイソなアウト・サイダーを演じてきた渋い俳優陣に加え、5台のキャメラによりアクション・シーンの徹底追求が試みられている。
 昨年の東京国際映画祭で『ワイルドバンチ(監督編集版)』とペキンパーの信奉者A・コックスの新作『死とコンパス』が上映されるなど、まさに期は熟した。見逃すことなかれ。首領の娘を妊娠させたアルフレッド・ガルシア。その男の首にかけられた報酬を巡って、愛と憎しみの戦いが始まる。112分。