シド アンド ナンシー Sid and Nancy
NY生まれのパンク・ミュージックは、1976年ロンドンでセックス・ピストルズの登場によって、一気にロックのみならずファッション、アートを巻き込む大ムーブメントとなった。しかしバンドは世界中のパンク・キッズを呆然とさせたまま2年後に解散。その後、アルバム、ヴィデオが数多く伝説を伝えるなか、最も美しく最も酷薄に伝説を昇華し、愛の映画の金字塔をうち建てたのが、英国人アレックス・コックスの『シド アンド ナンシー』だった。監督第1作の傑作『レポマン』でカウンター・カルチュア・シーンにおける映画の再来を予感させ、本作の後、エルビス・コステロ、ジム・ジャームッシュ、デニス・ホッパーらを起用した『ストレ−ト・トゥ・ヘル』、中南米を舞台にした大作『ウォーカー』、『エル・パトレイロ』などで国境なき失われた世界を求め、優れた作品に取り組み続けてきた。新作『デス&コンパス』(当館にて近未来公開予定)はボルヘスの原作を極めてミステリアスに再現している。1978年、NYのチェルシーホテルで刺殺体ナンシー・スパンゲン(クロエ・ウェブ)と死体のそばで放心状態の少年シド・ビシャス(ゲイリー・オールドマン)が発見される。彼は女王を愚弄し、社会にツバを吐いた、アナーキーなバンドのベーシストだった。自堕落なギグ、ドラッグとアルコールに溺れ、ふたりだけの世界を駆け抜けた世紀の恋人の短い生を過激に感動的に描く。
監督 アレックス・コックス
撮影 ロジャー・ディキンズ
音楽 ジョー・ストラマー、ザ・ポーグス、プレイ・フォー・レイン
出演 ゲイリー・オールドマン、クロエ・ウェブ、アンドリュー・スコフィールド
1986年 113分
【カラー】
映画配給会社PSC製作のアレックス・コックス監督のホ−ムペ−ジへ