D.O.A.(Dead on Arrival)


 '70年代、世界で最も過激だったセックス・ピストルズの1978年USAツアーとその解散に至った実像に迫るドキュメンタリー。入国でのいざこざ、東海岸でのキャンセルと不幸なすべり出しのツアーを経て、サンフランシスコのギグ終了後、ヴォーカルのジョニー(現ジョン・ライドン)が突如解散声明を発表。かくしてパンク・ムーブメントも終焉を迎える。パンクそのものだった挑発的な詩、アナーキーな言動、一瞬にして時代の寵児となったメンバーのスピリットが脈うつフィルムには、観客との暴力沙汰、ドラッグ浸りでへろへろになったシド・ヴィシャスのおそらく最後のインタヴューも入る。代表ナンバーに加え、クラッシュ、ジェネレーションX、イギー・ポップらも出演。監督リック・コワルスキーはカウンター・カルチュアをテーマにした作品を手がけてきた。他界したシドだけでなく、本フィルムの総監督トム・フォーケイドが作品完成後に自殺。タイトル通り死の影を牽いた映画でもあった。

監督 レック・コワルスキー
編集 バル・コワルスキー
撮影 ルーファス・スタンド・ファー
出演 セックス・ピストルズ、X−レイ・スペックス、ジェネレーションX、シャム69
1981年 99分