LESBIAN & GAY FILM SPECIAL


●ハスラー・ホワイト Hustler White
 サンタモニカで稼ぐハスラー(男娼)の日常に、彼らのレザー・フェチやSMなど多様なプレイを織り交ぜたドキュメンタリー・タッチの痛快作。衝撃的ながらも牧歌的な明るさに彩られたLAの複雑なゲイ社会での愛をスタイリッシュに切り取ってゆく。主演のトニー・ウォードはC・クライン、D&Gの売れっ子モデル。本作品でも特権的なモード感と繊細な優しさを奇妙に共存させている。監督は『ノー・スキン・オフ・マイ・アス』『スーパー8 1/2』をカルト・ヒットさせたあのブルース・ラ・ブルース。ケネス・アンガーばりにモダン・カルチャー・マニアのコミカルな演技で出演もこなす。共同監督リック・カストロはハーブ・リッツ、ウィトキンのフォト・スタイリストのキャリアを持つ写真・映像作家。ボアダムズ、暴力温泉芸者などジャパニーズ・オルタナティブ・バンドをフューチャー。インディペンデントの旬の輝きに満ちている。

監督  ブルース・ラ・ブルース  リック・カストロ
出演  トニー・ウォード  ブルース・ラ・ブルース
1996年  80分

●ウォーターメロン・ウーマン The Watermelon Woman
 洒落たレズビアン仲間に囲まれたシェリル(監督自演)は忘れられた美しい黒人女優フェイ・リチャーズのドキュメンタリー制作を始める。乏しい資料から、自立したレズビアンだったフェイの奮闘の人生が浮かびあがるにつれ、今映画作家として歩き始めたばかりのシェリルの足跡が感動的にオーヴァーラップする。シェリルの恋人役の白人女性に『Go fish』のグウェンが出演。

監督  シェリル・デュニエ
出演  シェリル・デュニエ  グウェネヴィア・ターナー
1995年  90分

●リビング・エンド  The Living End
 『ロング・ウィークエンド』『途方に暮れる三人の夜』でインディペンデント・フィルムメーカーとして鮮烈なデビューをしたグレッグ・アラキの名を全米のみならず海外へも押し出した超傑作。エイズや人間関係の歪みに手をこまねいている高度に発展したアメリカ社会をニヒルにロマンティックに挑発する。日本最終上映。お見逃しなく。

監督・撮影・脚本・編集  グレッグ・アラキ
出演  マイク・ディトリ  クレイグ・ギルモア  ダーシー・マルタ
1992年  92分