『パルーカヴィル』 Palookaville
“パルーカヴィル”とは、米語の古いスラングPalooka(不器用な奴)とVille(町)がくっついた言葉。そんな“パッとしない町”に住む、さえない三人組を主人公にした本作は、無名のアラン・テイラー監督をいきなり世界の注目株に押し上げた、見逃せない秀作だ。
ラス、シド、ジェリーは金もない、仕事もない、だがそれぞれに愛すべきところのある、心優しい男たち。真面目に働いてもラチがあかない日々にプッツンした3人は、一攫千金を狙って宝石強盗を企てる。計画も下見もバッチリのはずだったが、なぜか押し入った先は、宝石店の隣りのパン屋さん……。でも彼らはめげない。翌朝、早速コーヒーショップで反省会を開き、次なるターゲットをさがし始める。呑気なパル−カたちにいつ幸福は訪れる?
主演は『アリゾナ・ドリーム』『フューネラル』のイカした怪優ヴィンセント・ギャロ、加えてウィリアム・フォーサイス、アダム・トレーズ。この3人を叱咤激励する娼婦役に『ファーゴ』のフランシス・マクドーマンド。オフ・ビートなユーモアと粋なセリフが心地良い、とびきり暖かな一本。寒い晩に効きます。
監督 アラン・テイラー
出演 ヴィンセント・ギャロ ウィリアム・フォーサイス アダム・トレーズ フランシス・マクドーマンド ほか
95年 89分
【カラー】