アルノー・デプレシャン映画祭 〜デプレシャンに恋をする〜


○アルノー・デプレシャン Arnaud Desplechin
 '60年フランス生まれ。両親はベルギー人。IDHECで演出と撮影技術を学び、エリック・ロシャンらに協力しつつ16mmの制作を続ける。活きのよいフランス映画を席巻しつつある演技派の若手俳優(エマニエル・サランジェ、マリアンヌ・ドニクール、エマニュエル・ドゥヴォスら)を起用した中篇『二十歳の死』によって一躍ヨーロッパで最も野心的かつ才能溢れる作家の一人として注目されている。


●二十歳の死 La Vie des Morts
 20歳のパトリックが散弾銃で自殺を図った。昏睡状態が続いている。同年代の従兄弟、彼らの親たち……、彼を案じて集まった一族は予期せぬ休暇を授かったように再会し、やがてそれぞれの抱く生と死の境への不安定な感情によって緊迫し研ぎ澄まされた時間を共有する。52分。
監督 アルノー・デプレシャン
出演 ティボー・ド・モンタランベール ロジェ・レボヴィッチ エマニュエル・サランジュ  ほか
脚本 アルノー・デプレシャン
撮影 エリック・ゴティエ
9年 52分

●魂を救え! La Sentinelle
 父の死を契機にドイツからパリへ戻る列車でマチアスは突然身柄を拘束される。釈然としないまま解放され帰国した夜、彼は自分の荷物から見知らぬ人間の頭部を発見する。法医学の研修生として学ぶ研究室に持ち込んだ頭部へ知らず知らず執着してゆく彼は独自に分析を始め、頭部の身元探しによってポスト冷戦時代の西欧の禁忌に触れてゆく。
 F・ラングを思わせる陶酔的な心理描写によって緻密な謎へと誘い込むデプレシャンならではの世界を構築した傑作。C・シャンプティエが担当した沈み込むようなローキィ映像の緊迫感と随所にうかがえるユーモアが絶妙。瑞々しい若手俳優と共にジャン=ルイ・リシャールら名優も見応えあり。原題は『歩哨』。144分。

監督 アルノー・デプレシャン
出演 エマニュエル・サランジュ ティボー・ド・モンタランベール ジャン=ルイ・リシャール ほか
脚本 アルノー・デプレシャン
撮影 カロリーヌ・シャンプティエ
92年 144分

●そして僕は恋をする Comment Je me suis dispute…〈Ma Vie Sexuelle〉
 大学の講師でそこそこの収入と人生に甘んじるポールの悩みとは?
 サンジェルマン界隈を舞台に卓越した演出力が光る滑稽で切実な恋愛模様。その名を不動にした名作。178分。

監督 アルノー・デプレシャン
出演 マチュー・アマルリック エマニュエル・サランジュ ティボー・ド・モンタランベール  ほか
脚本 アルノー・デプレシャン エマニュエル・ブ−ルデュー
撮影 エリック・ゴティエ
96年 178分