女は女である  UNE FEMME EST UNE FEMME


●女は女である  UNE FEMME EST UNE FEMME
 ジャン=リュック・ゴダールの『勝手にしやがれ』『小さな兵隊』に続く長編第3作で、初のカラー、ワイドスクリ−ン作品。ゴダール唯一のミユージカル・コメディであり、その類稀な才能が画面一杯に発揮され、ヌーヴェル・ヴァーグここに極まった傑作といえる。
 アンジェラとエミールは恋人同士。愛し合っている2人には、唯一意見のくい違うことがある。アンジェラは早く子供がほしい。エミールは子供なんてまっぴら。一計を案じたアンシジェラは、自分に気のあるアルフレッドを利用して、エミールの気持ちを変えようと試みるが…。
 主演のアンジェラには、60年代ゴダール映画のミューズ、アンナ・カリーナ。2人関係が最良の頃に作られた本作は、ゴダール作品中、最も幸福感あふれるものとなっている。まるで彼女のために撮られたかのような作品だが、エミール役のジャン=クロード・プリアリ、アルフレッド役のジャン=ポール・べルモンドの素敵な好演も見逃せない。数々のミュージカル・ナンバーは『シェルブールの雨傘』のミシェル・ルグラン。撮影のラウル・クタール。軽やかで、粋で、おしゃれなゴダールに、見る側も心はずむ。

監督・脚本 ジャン=リュック・ゴダール
出演 アンナ・カリーナ ジャン=クロード・ブリアリ ジャン=ポール・ベルモンド マリー・デュボア ジャンヌ・モロー カトリーヌ・ドモンジョ ほか
撮影 ラウル・クタール
音楽 ミシェル・ルグラン
美術 ベルナール・エヴァン
録音 ギ・ヴィレット
編集 アニュス・ギモ
61年 84分