『ブレード/刀』


No.941 ●ブレード/刀 The Blade 刀
 『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ/天地黎明』『トワイライト・ランデヴー』などの監督作のみならず、『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー』『男たちの挽歌』をはじめとする多数の製作作品でも秀作・ヒット作を連発する“東洋のスピルバーグ”ことツイ・ハーク。本作は彼自身が90年代に入って作り上げた時代劇ブームに自らのメガフォンでピリオドを打った、リアリズム・アクションの傑作である。全編ドキュメンタリー・タッチのざらざらした映像は黒澤明の『七人の侍』『用心棒』を思わせるダイナミズムと緊張感に満ち、狂気をはらんだ展開には有無を言わせぬ迫力と凄味がこもる。美しくさえ見えるワイヤー・アクション、スタイリッシュな集団乱戦、どこを切ってもツイ・ハークならではの、大娯楽作だ。
 父を殺した犯人の正体を知った直後、その一味に片腕を切り落とされた男。復讐を誓った彼は、仲間や愛する娘と別れ、剣の秘術に没頭し、機会を待つが… …。

監督・脚本・編集 ツイ・ハーク
脚本 ソー・マンシン
撮影 コン・セン
音楽 ウィリアム・フー
   ウォン・イーワー
主題歌 サリー・イップ
出演 ウィン・ツァオ シャン・シンシン ソニー・スー ほか
95年 105分