シッダールタ


● シッダールタ Siddhartha
 文豪ヘルマン・ヘッセの同名小説の精神を忠実に再現し、東洋のエキゾチズムを捉えた野心作として'72年ヴェネチア映画祭銀獅子賞に輝いた本作品は監督コンラッド・ルークス(1934〜)と共に行方知れずになっていた。米国出身、裕福で厳格な実業家の一族で育ったルークスは14歳でモダンジャズの巨人パーカーやコルトレーンの知遇を得、LSDから阿片まで様々なドラッグに溺れ、放浪生活を送る。その間にケルアック、ギンズバーグ、ウォーホル、コクトーらと交流。父の死をきっかけに中毒を克服し、独学で『チャパクア』('66年)を自主製作しヴェネチアで受賞。本作品の多大な影響力はあの『イージーライダー』にも及んでいる。撮影はベルイマン作品の名匠スヴェン・ニクヴィスト。音楽はヘマン・クマール。オリジナル英語版。
 バラモン階級のシッダールタ(シャン・カプール)は真の自由を希求し苦行者となる。その途上、仏陀に帰依した友人と別れ、娼婦カマーラ(シミ・ガーレワール)に魅了される。

監督 脚本 コンラッド・ルークス
出演 シャシ・カプール シミ・ガーレワール ほか
撮影 スヴェン・ニクヴィスト
美術 マルコム・ゴールディング
音楽 ヘマン・クマール ゴーリップラサンナ
編集 カイ・フェートン
原作 ヘルマン・ヘッセ
72年 85分