アムステルダム・ウェイステッド! Wasted!


●アムステルダム・ウェイステッド! Wasted!  ドラッグ解禁の聖地として名高いオランダの都市アムステルダム。途方もない自由を手に入れた若い世代たちはこのグローバルな街で手痛く、クソッタレ(wasted)な現 実と対面する。  監督イアン・ケルコフは'64年、ヨハネスブルグ生まれ。在学中に反アパルトヘイト運動に身を投じ卒業後2年間の徴兵を宣告される。当時から独学でアンダーグラウンド映画を製作し、80年代にアムステルダムへ移 り、本格的に映画を学ぶ。初長編『Kyodai makes the big times』は高く評価され国内外の映画賞を受賞。日本では『テクノ』『イアン・ケルコフによるパフォーマンス・アーティストたちの肖像』など音楽・ダンスの ドキュメンタリーが一足早く紹介され、ノイズ・アーティスト、秋田昌美とのコラボレーション作品も完成している。本作は監督みずからドラッグの疑似体験と語る、デジタルビデオを駆使したカットとハウス・ミュー ジックの応酬のスピード&ポップなシャッフルから、若者たちのチャーミングで息苦しい生活を織り成したスキャンダラスな傑作だ。 地方からきたカップル、ジャクリーヌ(フェム・ファンデル・エルズン)とマーティン(ティゴ・ベルナント)は極彩色にペイントした部屋で朝からビールとシリアルとマリファナ、夜はエクスタシーとテクノパーティ ーの、夢にみた自由な生活を始める。ジャクリーヌは勤務先のソフト・ドラッグの販売店で真面目に働くうち売人やクラブDJをめざす野心的な女の子たちと友人になるが、彼らの利己的な欲望に巻き込まれ、マーティン ともすれ違ってゆく。

監督・脚本 イアン・ケルコフ 出演 フェム・ファンデル・エルズン ティゴ・ベルナント ほか 撮影 ジュスターバン・ゲルダー 音楽 ミシェル・ショードーエン 1994年 100分