キス!キス!キッス! Les Baisers


●キス!キス!キッス! Les Baisers
 J=L・ゴダールの『勝手にしやがれ』をはじめヌーヴェルヴァーグを代表する傑作群からメルヴィルの作品まで意欲的にプロデュースしたG・ボールガールが、当時の若手監督5人に“キス”にまつわる短編を競作させた。『夏のキス』トゥブラン・ミシェル監督。バカンスのおしゃれの参考にぜひ、というくらいファッショナブル。2人共“キスしたい”と思っていても夏の浜辺は結構人出があって…。『ユダのキス(裏切りのキス)』(『田舎の日曜日』『ラウンド・ミッドナイト』などの)ベルトラン・タヴィルニエ監督。好きになった男とキスしたい。でも彼とキスするのは自分だけじゃないとしたら?
 スリリングな恋の駆引きがハード・ボイルド・タッチで描かれる。『夜のキス』ジャン=フランソワ・オデュロワ監督。ブルジョワ階級のパーティーではキスを巡って大人のゲームが繰り広げられる。優雅でぜいたくなインテリアやパーティファッションが楽しい。『16才のキス』クロード・ベリ監督。ソフィスティケイトとは無縁の少年達。ゲームを楽しむ余裕も時間も彼等にはまだ無い。『親愛なるキス』60年代にはゴダール監督作品などの助監督を勤めたシャルル・L・ビッチュ監督。見かけも中身も純朴な青年と、一見世間知らずな若い娘が出会った。思惑は全然違う2人だが…。ゴダールやトリュフォーの撮影を手掛けていたラウル・クタールが撮影監督。流麗なカメラワークが若手監督の瑞々しい感性に気品を与えている。(旧題『接吻! 接吻! 接吻!』)
計97分。