男性・女性 Masculin Femini


● 男性・女性 Masculin Femini
 ゴダール最後のモノクロ映画にして唯一の青春映画。今回は30年ぶりの35ミリニュープリントによるリバイバル公開となる。 米軍将校の車に「ヴェトナムに平和を」なんて落書きをしつつも、セックスのことが頭から離れない、お茶目な青年ポール。うぶでキュートな新人歌手のマドレーヌ。《15の明白な真実》と銘打たれた15のエピソードは、ふたりの初々しい恋を軸に、1965年冬のパリと、《戦争を知らない子供たち》、すなわち《マルクスとコカコーラの子供たち》の生態を、明晰かつ軽快に活写していく。ポールに扮するのは、ヌーヴェル・ヴァーグのアイドル、当時21歳のジャン=ピエール・レオー。マドレーヌに扮するのは、日本でも人気のあったアイドル歌手、当時19歳のシャンタル・ゴヤ。「男性・女性」というより「男の子・女の子」という趣の、ゴダール嫌いにこそお勧めしたいゴダール映画。ブリジット・バルドーが顔を出したり、劇中映画がゴダール自身の処女短編のリメイクだったり、それを見たポールが、「上映サイズが違う!」と映写室で演説したり、サーヴィス満点、見どころいっぱいの105分。

監督・脚本 ジャン=リュック・ゴダール
撮影 ウイリー・クラント
録音 ルネ・レヴェール
編集 アニェス・ギュモ
出演 ジャン=ピエール・レオー、シャンタル・ゴヤ、マルレーヌ・ショベール 他
66年 105分