●飯と乙女 おいしいから、生きるために、あるいは何らかの欠落を埋めるためにすら、人は食べる。そしてまた、食べない選択もある。本作は、人がどんなものをどのように食べているかというナイーヴな食文化を覗き見させながら、その極地にある、生きることの甘さ/苦さを真摯に問いかけてくる視点が実にユニーク。栗村実監督の、初長篇とは感じさせない洗練された肌触りの作品であり、海外映画祭でも高く評価されている。 手塩にかけた料理をふるまうことを何よりも愛する女(佐久間麻由)と偏った食癖の男(上村聡)、大食漢の妻子を養っていく自信のない男(菊池透)、働かない夫(岸建太朗)と働いてばかりの妻(田中里枝)のイタい食欲……。空腹時のご鑑賞は禁物にしたいほど豊かに織りなされる劇中のフード担当は料理家・樽味朝子。テーマ曲「死と乙女」(ボロディン弦楽四重奏団)。75分。 |
2011 8/13(土) 〜8/19(金)
当日券 一 般 1500円 大学生 1400円 シニア 1000円 中高予 1200円 会 員 1200円 |
監督・脚本 栗村実
撮影 ニホンマツアキヒコ
出演 佐久間麻由、田中里枝、岡村多加江、上村聡、岸健太郎、菊池透、増本庄一郎 他
2010年 75分