○ロベール・ブレッソン(1901〜1999) ロベルト・ロッセリーニと並んで、ヌーヴェルヴァーグに強い影響を与えた、孤高の映画監督。演劇的表現を排した映画手法で「シネマトグラフ」を提唱し、『バルタザール、どこへ行く』『抵抗』『やさしい女』など、多くの傑作を残した。(今回は2作品ともニュープリント版) ●スリ Pickpocket 『抵抗』と『ジャンヌ・ダルク裁判』の間に作られた、ブレッソン中期の傑作。手先が器用だったがゆえにスリを働くことになる貧乏な学生ミシェル。彼の流転の人生を、鋭利な剃刀で切り裂くようなモノクローム映像で描く。74分。 ●ラルジャン L'argent とある青年が偶然に手に入れて使ってしまった偽札。たった一枚の偽札が、人から人へと渡る間に、事件が事件を呼んで、不幸が連鎖する。遂には、一家惨殺事件までが引き起こされる。ブレッソンが80歳を越えた時期に撮ったとは思えない瑞々しさに満ち、トルストイの原作を大幅に改稿して普遍的な罪と罰の物語へと昇華させている。ブレッソン、最後の作品。85分。 |
2011
入場料を200円割り引きます。 |