○近年は『The Wild Blue Yonder』のようなネイチャー・ドキュメンタリーでも知られるヴェルナー・ヘルツォーク。『バッド・ルーテナント』あたりを観ると暴走ぶりが嬉しく、妄想する鬼才というか、印象は強烈。ニュー・ジャーマン・シネマの旗手として80年代のアートシーンを席巻した傑作選、どうぞご覧あれ! ●小人の饗宴 Auch Zwerge haben Klein angefangen トッド・ブラウニング監督の『フリークス』と並び称せられ、ある意味、それ以上の衝撃作。とある施設を舞台にした、叛乱と混乱のオーウェル的悪夢は、世界中の映画人にインパクトを与えた。96分。 ●アギーレ/神の怒り Aguirre, der Zorn Gottes エルドラドを求めて、アマゾン奥地を彷徨うスペインの探検隊の迷走。狂気に走る隊長役のクラウス・キンスキーの妄執は、圧倒的な迫力を持つ。「タイム」誌が選ぶ〈歴代映画100選〉の1本に選出! 93分。 ●ノスフェラトゥ Nosferatu - Phantom der Nacht ムルナウの『吸血鬼 ノスフェラトゥ』をリメイク。クラウス・キンスキー、イザベル・アジャーニ、ブルーノ・ガンツの豪華な顔ぶれで贈る、妖しくも美しいドラキュラの世界! 103分。 ●フィツカラルド Fitzcarraldo アマゾン奥地にオペラハウスを建設する夢に取り付かれた男の物語は、西洋文明批判の枠組みでは収まりきらない破格の映画。山肌に線路を引き、台車で客船を運ぶ映像は圧巻。ヘルツォーク的誇大妄想の白眉。157分。 ●キンスキー、我が最愛の敵 Mein Liebster Feind K・キンスキーの死後にまとめられたドキュメンタリー。愛憎入り混じり、盟友と呼びあうには、あまりにも過激なヘルツォークとの関係が、壮絶に語られる。常人には全く理解を超えた95分。 |
2012
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