●ニーチェの馬 The Turin Horse 『ヴェルクマイスター・ハーモニー』『倫敦から来た男』で、現代映画の極北の境地を垣間見せた、ハンガリーの巨匠タル・ベーラ監督。さらに極地への到達の度合いを深めた最新作にして“最後の映画”。(今後は自作の模倣になるから引退、なのだそうです。何たる引き際!) イタリアを旅行中に、虐待される馬を見かねた哲学者ニーチェが、馬を助けた後に発狂したという、晩年のエピソードを踏まえて、タル・ベーラが注目したのは、馬のその後。荷馬車を操る男とその娘。荒涼とした谷間に住むふたりは、貧しく単調に暮らす。重厚なモノクローム映像は、ふたりの生活を凝視する。日々の水汲み、粗末な食事、容赦なく吹き荒れる暴風、そして、深い深い夜の闇。社会から孤絶したように生きるふたりだが、彼らが知らぬ間に、世界は何か大きな変化に見舞われたらしい。彼らは、それが何か知る由もなければ、大きな力に抗う術もない。強烈な暗喩に満ちた、妥協を許さぬ寓話的詩篇。154分。 |
2012 3/24(土) 〜3/30(金)
3/31(土) 〜4/6(金)
前売券 ※前売券販売は3/23(金)までです。 一 般 1400円 大学生 1400円 会 員 1200円 当日券 一 般 1700円 大学生 1500円 シニア 1000円 中高予 1200円 会 員 1300円 |
監督・脚本 タル・ベーラ
編集・共同監督 フラニツキー・アーグネシュ
脚本 クラスナホルカイ・ラースロー
音楽 ヴィーグ・ミハーイ
撮影監督 フレッド・ケレメン
プロデューサー テーニ・ガーボル
出演 ボーク・エリカ、デルジ・ヤーノシュ 他
2011年 154分