ヘルツォークやヴェンダースらと共に戦後の西ドイツ映画を革新していた1982年に36歳で急逝した監督、ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー。師と仰ぐ巨匠ダグラス・サークの手がけた米国メロドラマを意識しながらもドイツ社会に肉薄する40本もの映像作品を成す。絶望の中で愛を追及した監督自身の生涯にも通じる、敗戦をたくましく生きる孤独なヒロイン像に焦点をあてた名作特集。 ●マリア・ブラウンの結婚 Die Ehe der Maria Braun 名コラボのハンナ・シグラと共に世界に躍り出たヒット大作。生き別れた夫を取り戻すためすべてを犠牲にして廃墟を生き抜く主人公をドラマチックに描く。ベルリン映画祭銀熊賞。120分。 ●ローラ Lola スタンバーグとディートリッヒの古典名作『嘆きの天使』を戦後のドイツに移しかえ、経済復興期の退廃的精神を描く。人工光を使用した豪奢で妖しい撮影効果も独特。115分。 ●マルタ Martha サディスティックな男性と世間知らずのブルジョワ娘の結婚によって70年代の抑圧的な市民生活をエキセントリックにあぶり出す。撮影は、スコセッシやコッポラも起用したミヒャエル・バルハウス。112分。 (すべて35ミリフィルム上映) |
2013 4/13(土)〜4/19(金)
|