東欧仕込みのアート志向と大衆を先取る視点で『チャイナタウン』や『戦場のピアニスト』など華麗なキャリアを持つ映画監督R・ポランスキー(1933〜)。だが、その過去は悲劇とスキャンダルが乱高下するドラマチックな人生だ。ポーランド系ユダヤ人としてパリに生まれ幼少に帰国。ナチの殺戮に直面した思春期。30代を前に、スコリモフスキとの共同脚本の水の中のナイフ(Noz w Wodzie 94分)でヴェネチア映画祭受賞。カトリーヌ・ドヌーヴのナイーブな演技が鮮烈な、反撥(Repulsion 105分)、ドヌーヴの姉F・ドルレアック主演、袋小路(Cul-de-Sac 102分)でベルリン映画祭グランプリ受賞。米国進出したサイコホラーの傑作、ローズマリーの赤ちゃん(Rosemary’s Baby 137分 35oニュープリント版 主演:ミア・ファロー、ジョン・カサヴェテス)と成功続きの翌年、妊娠中の妻で女優のシャロン・テートがカルト教団マンソン・ファミリーの生贄となる。70年代に児童わいせつ容疑で米国を離れるが映画の夢を追い続け奇跡の復活をとげてきた。ロマン・ポランスキー 初めての告白(Roman Polanski: A Film Memoir 94分)は、自身が目撃した真実を数々の傑作の名シーンと共に語りおろすスリリングなドキュメンタリー。映画が美人モードの発掘装置でもあった魅力的で野心的な60年代の傑作(太字作品)4作を特集。 |
2013 8/17(土)〜8/30(金)
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