○生涯で数々の傑作を作り、今なお、ファンの気持ちをひきつけてやまない映像の魔術師、スウェーデンの巨匠イングマール・ベルイマン(1918〜2007)。シャープな映像感覚と文学的な象徴性、緻密なリハーサルを基にした演技の即興性を極限まで追求した彼の作品は、ウディ・アレン、スティーブン・スピルバーグ、スタンリー・キューブリックやトリュフォー、ゴダール等ヌーヴェルヴァーグの作家まで、映画史にその名を轟かす多くの監督たちに影響を与えています。今回は初期傑作3作品と円熟期の『秋のソナタ』をお届けします。 ●第七の封印 Det Sjunde inseglet ベルイマンの名を世界に知らしめた代表作。ペストが蔓延する中世ヨーロッパを舞台に、十字軍の遠征から帰途についた騎士が、彼を追う死神に自らの命を賭けたチェスの勝負を挑む。生と死の意味と重みが含蓄のある演出で語られる哲学的寓話。ベルイマンの熱狂的ファンとして知られるウディ・アレンは、「最も好きで、最も影響を受けた映画」とも語る。97分。 ●野いちご Smultronstallet 人生の終わりを迎えつつある老医師の一日を通じて、人間の老いや死、家族をテーマに、夢や追想を織り交ぜて描いた叙情的な作品。若き日の思い出の象徴として艶やかに描写される野いちごは、ベルイマン自身、そして、映画というメディアの青春時代を託されているようにも見える。アンドレイ・タルコフスキーがオールタイム・ベストの一本として挙げている。92分。 ●処女の泉 Jungfrukallan 16世紀のスウェーデン。世間知らずの少女の身に起きた悲劇と、娘を失った父親の復讐、そして、彼女を妬みつつ悲劇に恐怖する召使いの娘の物語を重層的に描く。黒澤明を敬愛するベルイマンが、『羅生門』の強い影響下で監督した代表作中の代表作。名カメラマン、スヴェン・ニクヴィストの陰影豊かな撮影が強烈な印象を残す。アカデミー賞、ゴールデングローブ外国語映画賞をはじめ、数々の賞に輝いた。90分。 ●秋のソナタ Hostsonaten 国際的なピアニストで、恋愛経験もきらびやかな母親シャロッテ(イングリッド・バーグマン)と、抑圧されて育った娘エーヴァ(リヴ・ウルマン)との壮絶な確執を描く。国際的な大女優バーグマンの遺作に相応しい、堂々たる人間ドラマ。92分。 |
2013 8/31(土)〜9/13(金)
※初日にご来場の方に「アンナビスケットジンジャーシン」をプレゼントします。(数量限定) |