●収容病棟(原題=瘋愛) 『鉄西区』『無言歌』『三姉妹〜雲南の子』など、発表する作品が絶えず話題を巻き起こしてきたワン・ビン監督。今春には、パリのポンピドゥー・センターで全作品の回顧上映が行なわれ、その評価は高まる一方だ。本作は、彼の最新作。中国・雲南省の精神病院に密着取材した、前編122分、後編115分の鮮烈なドキュメンタリーだ。 ○前編 精神病患者が増加の一途を辿っていると言われる中国。この精神病院には、行動に“何らかの異常がある”との理由で、200人以上の患者が収容されている。一部屋に数人が暮らし、医療のケアが充分に成されているとは言い難い状況で、日々時間をやり過ごす人々。狭い廊下をひたすら走る青年、誰かと一緒に眠りたがる氏名も年齢も不詳の男、夜中に騒ぎを起こし、手錠をかけられる男……。彼らの息づかいまで聞こえそうな距離に接近したカメラが、出口を失った者たちの孤独をあぶりだす。 ○後編 繰り返される日常にもドラマは存在する。階下の女性患者と愛を語らう男のエピソード、10年を超える収容を終え、家に戻る男のエピソードで、映画はひとつのクライマックスを迎え、見る者の心に忘れ難い感動を残す。 |
2014 7/12(土)〜7/25(金)
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監督・編集 ワン・ビン
編集 アダム・カービー
2013年 前編122分 後編115分