●リヴァイアサン Leviathan この強烈な映像作品をどのような言葉で表せば良いのか…。かつて、アメリカ捕鯨の中心であり、メルヴィルに『白鯨』を書くきっかけを与えた港町、ニューベッドフォード。そこから出港した底引き網漁船アテーナ号に据えられた無数のカメラが記録した全てがここに収められている。その視点は、時に水面下に沈み、水面ギリギリで喘ぐように境界面をも写し、一網打尽にされた魚を睨み、中空を舞うカモメの群れをも仰ぎ見る。さらに、網からこぼれ落ちる魚や貝が甲板を滑って海中に没したり、ヒトの手によって無言のままに進められる解体作業をも目撃する。マイクが拾い続けた、風や波や機械の轟音はサラウンドで響き渡る。これは、何についてのドキュメンタリーなのだろうか? いや、そもそもドキュメンタリー作品なのか。 映画の定義そのものを揺るがす、圧倒的な映像体験を約束する本作は、ハーバード大学で美学と民族誌学との革新的な連携を推進する実験的なラボ、「感覚民族誌学研究所」の人類学者でもある映像作家ルーシァン・キャステーヌ=テイラーとヴェレナ・パラヴェルのふたりが作り上げた。紛れもない異色作だ。87分。 |
2014 8/30(土) 〜9/5(金)
9/6(土) 〜9/12(金)
9/13(土) 〜9/19(金)
前売券 ※前売券販売は8/29(金)までです。 一 般 1400円 大学生 1400円 会 員 1200円 当日券 一 般 1700円 大学生 1500円 中高予 1200円 シニア 1100円 会 員 1300円 学生・シニア会員 1000円 |
監督・撮影・編集・製作 ルーシァン・キャステーヌ=テイラー、ヴェレナ・パラヴェル
2012年 87分