第二次大戦が終結して70年の時が流れた。世界は平和になってもよさそうだが、戦争も紛争も絶えることなく続き、日本もまたその連鎖の中にいる。そんな今だからこそ、あらためて見つめたい。『SHOAH ショア』をはじめとする、クロード・ランズマンのホロコースト・ドキュメンタリーを。 ○クロード・ランズマン(1925年〜) フランス生まれ。第二次大戦中はレジスタンスに参加。戦後、J=P・サルトル、S・ボーヴォワールらと知り合い、ジャーナリストとして活動を始める。1985年発表した『SHOAH ショア』がすさまじい反響を巻き起こし、ドキュメンタリー映画監督としても評価を得、以後、強制収容所やイスラエルをテーマにした映画を制作。また、サルトルらが創刊した「レ・タン・モデルヌ」誌の編集長を、現在も務めている。 ●SHOAH ショア 第二次大戦中、ナチス・ドイツによって行なわれたユダヤ人の強制収容と大量虐殺。その全体像を関係者の証言で構成した未曾有の長編ドキュメンタリー。監督のランズマンが、生還したユダヤ人、元ナチス親衛隊員、収容所近くに住むポーランド人農夫ら膨大な数の証言を集め、“そこで何が起きたのか”を徹底して追及する。全4部に分けて上映。1部(154分) 2部(120分) 3部(146分) 4部(147分)。 ●ソビブル、1943年10月14日午後4時 Sobibor, 14 Octobre 1943, 16 Heures 『SHOAH ショア』の後半で明らかにされたユダヤ人による収容所での武装蜂起計画。16歳で連行されたイェフダ・レルネルの証言をもとに、収容所で起きた出来事がより鮮明に綴られていく。ナチスへの抵抗、武装蜂起計画、そして400人近くが加わった脱走劇……。語られることの少ない“ユダヤ人の抵抗”を追った、ランズマンの隠れた傑作。98分。 ●不正義の果て Le Dernier Injustes ユダヤ人の収容所移送に大きく関わったアドルフ・アイヒマンは、世界を欺くために“模範収容所”を作り、プロパガンダに精を出した。そこでナチスの指令に従いつつ、可能な限りユダヤ人を守ろうとした長老ムルメルシュタインにインタビューし、過酷な状況下で人は何ができるのかを問うた、『SHOAH ショア』を超える問題作。218分。 |
2015
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