ひいくんのあるく町


●ひいくんのあるく町 日本映画学校卒業制作である初監督の中編ドキュメンタリー作品が、熱い支持に推されて全国公開の劇場デビューを飾る1993年生まれの青柳拓監督。
 その故郷である山梨県市川大門(現・市川三郷町)は神明の花火大会と和紙生産で知られているが歴史あるこの町は今、若者の流出によりゆるやかにさびれはじめている。帰省した町で、記憶のなかに存在する豊かな過去の原風景と現実との落差に直面した青柳監督は同時に変わらぬものと出あう。それは楽しそうに靴を鳴らして町を歩く「ひいくん(渡井秀彦さん。38歳。)」の姿だ……。
 まるで離ればなれの二個のアセチレンランプのようにささやかだがあざやかな灯りを商店街にぽつんとともしている渡井家と青柳家。静かで情味あふれる取材の断片から珠玉の時間がうまれていく。地域再生とは、人と人とのつながりを感じとれるコミュニティをその時代の社会とのバランスの上に築いていくことではないかと強く確信させられる傑作だ。必見です。47分。




2017
9/30(土)
 〜10/6(金)

11:00

   

当日券
1000円均一