「アラン・ロブ=グリエ レトロスペクティブ」


 20世紀半ばに世界文学を揺るがしたヌーヴォー・ロマンの旗手アラン・ロブ=グリエは『去年マリエンバートで』の原作脚本の執筆を機に映画制作を手がける。倒錯的で官能とフェティシズム漂う耽美な怪作の数々はヨーロッパ以外で殆ど上映される機会は無かったが、本特集では大戦後の世界で次代の紛争や情報社会で妄想に囚われながら謎を追う人々の姿を預言するかのように、新たな時代に新たな愉悦の映画発見をもたらすだろう。ロブ=グリエは今を待っていてくれたのだ。
A ●不滅の女 L’immortelle 絶景に浮かぶイスタンブールの港町のフランス人コミュニティで白い車を走らせる女と出会う教師。いまだ新しさに輝く監督デビュー作。101分。
B ●ヨーロッパ横断特急 Trans-Europ-Express パリ・アントワープ間で麻薬を運ぶ男。男を主人公にした映画の製作者たちのメタ現実との境界をパンフォーカス映像で鮮やかに跳び超えてヒットした傑作。95分。
C ●嘘をつく男 L’homme qui ment ナチス傀儡政権下で非情な戦いに対面した村のレジスタンスの英雄ジャンの盟友と名乗る男が亡霊のように現われる。終わりなき戦いと死と日常。ボルヘスの短編が原案。ベルリン映画祭銀熊賞。95分。
D ●エデン、その後 L’eden et après モンドリアン風内装のカフェエデンで死を模した劇で遊ぶ学生達にモロッコ帰りの男が加わった……。戦後の倦怠するクールな若者達を怪しげに誘う猟奇とモード。衝撃の赤が初めて色顕わした初カラー作品。98分。
E ●快楽の漸進的横滑り Glissements progressifs du plaisir ルームメイト殺害容疑でカトリックの収容所に囚われた美しいアリス。モラルを超越し映画の自由を獲得した最高傑作。106分。
F ●囚われの美女 La Belle Captive 唯一の劇場公開作として日本で名高い傑作。ファシスト組織を操る女の下で働くヴァルテルは場末のクラブで艶かしいブロンド女性に出合った直後、血に汚れ道路に横たわる彼女を発見。ルネ・マグリットの絵画をモチーフに幻想と官能の迷路へ誘う。撮影:アンリ・アルカン。85分。



2019
1/19(土)

B 18:20
E 20:10

1/20(日)
 〜1/21(月)

A 18:20
D 20:10

1/22(火)
 〜1/23(水)

C 18:20
F 20:10

1/24(木)
 〜1/25(金)

E 18:20
B 20:10

1/26(土)

B 15:35
C 17:30

1/27(日)
 〜1/28(月)

E 15:35
F 17:30

1/29(火)

C 15:35
A 17:30

1/30(水)
 〜1/31(木)

B 15:35
D 17:30

2/1(金)

A 15:35
E 17:30

 

前売券
※前売券販売は1/18(金)までです。
1作品券
一 般 1500円
大学生 1500円
会 員 1200円
3作品券
一 般 3600円
大学生 3600円
会 員 3300円
当日券(1作品券のみ)
一 般 1700円
大学生 1500円
中高予 1200円
シニア 1100円
会 員 1300円
学生・シニア会員 1000円