没後60年
 ジャン・コクトー映画祭

ジャン・コクトー 詩人、小説家、劇作家、画家、役者、映画監督、その活動は多岐に渡り、あまりにも多才。1889年7月5日、パリの裕福な家庭に生まれる。8歳の時、アマチュアの画家でもあった父が謎のピストル自殺。20歳ごろから社交界、裏社交界に出入りするようになり、雑誌や新聞に寄稿、詩人として注目され、マルセル・プルーストやモディリアーニ、ココ・シャネル、ストラヴィンスキーらと交流を深める。長編処女小説「肉体の悪魔」によって時代の寵児となるレーモン・ラディゲとの出会い、そして彼の死をきっかけに阿片中毒の闇に沈む。治療後も、その生涯には死の影が深く、心のバランスの危うさを抱えつつ、表現活動を続けた。監督作品は『詩人の血』に始まり、公私のパートナーとなる俳優ジャン・マレーと出会いから、『美女と野獣』『恐るべき親達』『オルフェ』などの傑作を連打。詩の創作に加え、小説「大胯びらき」「白書」「恐るべき子供たち」(ジャン=ピエール・メルヴィル監督によって映画化)など。堀口大學訳の詩集が日本でも人気を博し、三島由紀夫、堀辰雄、寺山修司、澁澤龍彦ら多くの作家に影響を与えた。1963年に永眠。ジャン・マレーは1999年に85歳で亡くなるまで、コクトー作品を舞台で演じ続けた。
①美女と野獣 La Belle et la Bête アニメーションやミュージカルでも知られる御伽噺〈美女と野獣〉を初めて実写映画化したのはジャン・コクトー。公私におけるパートナー、ジャン・マレー扮する野獣/王子は息をのむほどに美しく、官能的。華麗なコスチュームなど、魅力的な美術デザインを担当して、コクトーのイメージを具現化したのは、ディオールやシャネルとも仕事を重ねたクリスチャン・ベラール。撮影は『ローマの休日』『ベルリン・天使の詩』の名匠アンリ・アルカン。94分。
②詩人の血 Le Sang d’un Poète 「ぼくは目に見えるぼくの血と、目には見えぬ血、肉体の血と魂の血でこの映画を作りました」とコクトー自身が記した通り、映画という表現の器を豊かに使って、監督デビュー作に相応しく、イマジネーションの翼を大きく羽ばたかせた、アヴァンギャルドな逸品。四つのエピソードからなる本作にはギリシャ神話の要素や鏡、雪合戦といった後の『オルフェ』や中編小説「恐るべき子供たち」と共通する描写が散りばめられ、時代を先取りするような特殊効果によって、神秘的な雰囲気をも漂わせている。50分。
③オルフェ Orphée 死んだ妻に会うために冥界へ向かう男の悲恋を描いたギリシャ神話のオルフェウスの物語。コクトーは、1950年代のパリに舞台を移し、死の王女に思いを寄せる詩人の物語と変身させる。当時のパリでカーチェイスの見せ場を作ったりもしつつ、鏡を使ったイメージの乱反射は、やはり前衛的。主人公オルフェを演じるジャン・マレーの存在感に圧倒される。死の王女役には『ブローニュの森の貴婦人たち』、ジェラール・フィリップと共演した『パルムの僧院』で知られるマリア・カザレス。95分。
④ブローニュの森の貴婦人たち Les Dames du bois de Boulogne 貴婦人エレーヌは恋人ジャンの愛を試すために別れ話を持ちかけるが、エレーヌの思惑とは反対に、ジャンはあっさりと同意。エレーヌは落胆し、復讐を企むが……。孤高の映像作家ロベール・ブレッソンがドゥニ・ディドロによる小説「運命論者ジャックとその主人」を原作に脚色。当時無名だったブレッソンの為にコクトーは台詞監修のクレジットを引き受けたという。ブレッソンとコクトーの友情は、その後も続き、コクトーは自らの死の1週間前にもブレッソンに手紙を送っていた。86分。




2023
1/14(土)
 〜 1/20(金)

13:20 美女と野獣
15:10 詩人の血

1/21(土)
 〜 1/27(金)

11:50 オルフェ
13:40 ブローニュの森…

1/28(土)
 〜 2/3(金)

1/28
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(月)
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(火)
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(金)
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2/4(土)
 〜 2/10(金)

2/4
(土)
10:00 オルフェ
2/5
(日)
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2/6
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2/10
(金)
10:00 オルフェ

 

当日券のみ
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