徘徊 ママリン87歳の夏

●徘徊 ママリン87歳の夏 今や65歳以上の4人に1人が発症あるいは予備軍と言われる認知症。老いれば誰にとっても他人事ではないこの疾患と、どう向き合えばいいのか? 本作は、そんな課題にひとつの処方箋を与えてくれる、ユーモアと敬愛に満ちたドキュメンタリーの秀作だ。
 大阪市中央区北浜に暮らす母と娘。母、酒井アサヨ(87歳)。娘、酒井章子(55歳)。母は、夫の他界後は一人暮らしをしていたが、9年前に認知症と診断され、章子と同居することになった。映画は、ある日の光景から始まる。デイサービスから戻った母が、娘に聞く「ここは刑務所ですかね?」。「ちゃうちゃう、刑務所は、こんなユルユルちゃうで」……。「あんたは、どなたです?」「アッコちゃんですよ」「え、私の娘の? えっらい大きくなって!」……。何度も同じ心配や疑問を口にする母と、にこやかに切り返す娘のやりとりは、思わず笑いを誘う。しかし、2人の日々は、いつも穏やかなわけではない。母は、一日に何度も家を出て、1人で徘徊を繰り返すのだ。田中幸夫監督は、2人の日常を見つめ、老いることと見守ることの両面を、静かに切り取っていく。 77分。


2015
10/31(土)
〜11/20(金)

10:45



前売券
※前売券販売は10/30(金)までです。
一 般 1300円
大学生 1300円
会 員 1200円
当日券
一 般 1700円
大学生 1500円
中高予 1200円
シニア 1100円
会 員 1300円
学生・シニア会員 1000円