フレデリック・ワイズマンの世界１〈全10作品・入替〉

50年に渡り、多様で複雑化する現代社会を観察し40作以上もの研ぎ澄まされた映像表現のドキュメンタリー映画を手がけてきたフレデリック・ワイズマン（1930～）。当館で６月公開の新作『ニューヨーク公共図書館　エクス・リブリス』を記念し未公開『大学─At Berkeley』を含む傑作選。第2弾は、今年内に予定中。
○チチカット・フォーリーズ　Titicut Follies　精神異常犯罪者のための州立刑務所マサチューセッツ矯正院の日常を描く。看守、ソーシャルワーカー、心理学者と収容者を様々な側面から記録。’91年まで合衆国裁判所から一般公開を禁止されていた伝説の作品。84分。
●高校　High School　フィラデルフィア郊外の“模範的”ハイスクールで教師、生徒、保護者、管理職たちそれぞれの関わりと様々な日常生活を追う。75分。
○基礎訓練　Basic Training　ケンタッキー州フォートノックス基地。訓練、始動でまだ子供っぽさの抜けない若者が兵士に仕立て上げられて行く。ベトナム戦争の最中に撮影された。89分。
●霊長類　Primate　先駆的施設とされるヤーキーズ霊長類研究所。様々な動物実験が研究目的や意義の説明されないまま映されていく。故意に研究を貶めたとする人々と生体実験に反対する人々との間に議論を起こした作品。105分。
●肉　Meat　牧場から連れ出され巨大精肉工場を経て市場へ運ばれ肉へと製品化される牛、羊。一分の狂いもなく細分化されたその過程をとらえる編集のリズムが余韻をうむ傑作。113分。
●モデル　Model　ニューヨークの一流事務所ゾリ・マネージメントに所属し広告やランウェイで働く男女のモデルたち。デザイナーやカメラマン、エージェントも登場しファッション業界を映しだしていく。129分。
●動物園　Zoo　マイアミのメトロポリタン動物園。世界中から訪れる入場者、飼育係、獣医、調査・研究部門や広報・寄付金パーティなど運営メカニズムを記録した人気の高い作品。130分。
●DV ドメスティック・バイオレンス　Domestic Violence　フロリダ州タンパにあるDV被害者施設「スプリング」は年間1650人もの成人と子どもを受け入れている。経済的困窮、精神と肉体への虐待、性的虐待を通して、なぜ加害者は被害者を傷つけ、支配しようとするのかという先駆的な問いかけを呈す傑作。196分。
●DV2 ドメスティック・バイオレンス2　Domestic Violence2　前作『DV』の救援施設から法廷へと撮影地を移す。当事者の接触を避け、別室のモニターに映し出される加害者。いくつもの裁判と審理を経て、人生とドラマが浮かび上がる必見の傑作。160分。
○大学 ─ At Berkeley　1868年創設、アメリカで最も古く権威ある総合大学、カリフォルニア大学バークレー校を取材。学生運動の拠点にもなったリベラルな校風でも知られている。教育機関としての授業・研究活動だけでなく、構内のあらゆるイベント、コンサートや大学経営の内幕がみえてくる。初公開作。244分。


2019
5/25(土)

チチカット… 15:10
肉 16:50

5/26(日)

大学 15:10

5/27(月)

DV 15:10

5/28(火)

DV２ 15:10
高校 18:05

5/29(水)

動物園 15:10
基礎訓練 17:40

5/30(木)

霊長類 15:10
モデル 17:10

5/31(金)

大学 15:10

　

当日券のみ（1作品）
一　般　1500円
大学生　1400円
中高予　1200円
シニア　1100円
会　員　1200円
学生・シニア会員　1000円
※同日に2作品鑑賞の一般・学生の方は２作品目の料金から200円引きです。