『さよならテレビ』公開記念 東海テレビドキュメンタリーの世界2019

○数々の傑作ドキュメンタリーを世に送りだしてきた東海テレビ。元々、東海テレビでは取材を重ねた題材から、より深く、より時間をかけて練り上げられた、優れた長編ドキュメンタリーを製作し放送する伝統がありました。2011年に劇場版として再編集された『平成ジレンマ』が初めて映画館で公開される運びとなり、その反響と成功を受けて、その後も多くの作品を当館でも上映してきました。劇場公開10年めとなる2020年正月には、テレビ局そのものを題材とした野心的な新作『さよならテレビ』(圡方宏史監督)の公開も予定されています。その公開に先立ち、これまでの公開作から厳選して特集上映をお届けします。
●人生フルーツ 2017年に公開され、現在にいたるまで全国的に大ヒットを記録し続けている逸品。高蔵寺ニュータウンの一角に居を構える津端修一・英子夫妻。修一は、A・レーモンドに師事した建築家で高蔵寺ニュータウンの設計もしたが、彼の理想は経済優先の成長期にあった日本では受け入れられなかった。今は、妻と二人で野菜や果物を育て、ささやかに自らの生き方を実践している。伏原健之監督作品。静かで穏やかに、人生のあり方を問う91分。
●ヤクザと憲法 『さよならテレビ』の圡方宏史監督の名を一躍知らしめた異色作。被写体は究極のはみ出した者たち=「ヤクザ」。暴力団対策法などによって、現在厳しく取り締まられているヤクザは、今、何を考え、どんな暮らしをしているのか? 本作は、大阪のある指定暴力団に密着する。ヤクザも、ヤクザに関わる者も、人権が認められない現実。映画は彼らに「なぜ、それでもヤクザをやめないのか?」と問いつつ、見る側にも問う「このやり方でOKなのか?」と。脳髄にガツンとくる衝撃の96分。
●ホームレス理事長 退学球児再生計画 高校をドロップアウトした球児たちに再び野球と勉強の場を提供すべく設立されたNPO「ルーキーズ」。その活動にのめりこむあまり、住む家さえ失うNPO理事長を追った異色の一本。理事長は日夜資金繰りに駆け回り、遂には本作の撮影スタッフにまで借金を申し込む……。途方に暮れたピエロのように右往左往する理事長の姿が、我々の社会の在りようを逆に照らし出す。圡方宏史監督、最初の長編作。110分。
●死刑弁護人 死刑判決が想定される事件を数多く担当する弁護士・安田好弘を追った作品。光市母子殺害事件、オウム真理教事件、和歌山カレー事件など数々の重大事件で被告の弁護人を務めた安田は、極悪な犯罪者の側に立つ人間として、常に社会からバッシングを浴びてきた。「マスコミは弱者を傷つける」とほとんどの取材を拒否してきた彼に密着、なぜリスクの多い“死刑弁護人”という道を選んだのか。ナレーション=山本太郎。齋藤潤一監督作品。97分。
●光と影~光市母子殺害事件 弁護団の300日~ 18歳の被告を「死刑にしろ、弁護不要」と熱狂する世論。バッシングされた弁護団の内側から社会の深層を照射するマスターピース。ナレーション=寺島しのぶ。47分。●罪と罰 娘を奪われた母 弟を失った兄 息子を殺された父 犯罪被害者は、みな加害者の極刑を求めているのか……。最愛の肉親を殺害された3人への取材が遺族の多様な思いと死刑制度の現実を明らかにしていく。ナレーション=藤原竜也。47分。(いずれも齋藤潤一監督作品。2作品で1プログラム)
●神宮希林 女優・樹木希林の人生初のお伊勢参りの旅を追う。2013年7月。神宮は式年遷宮を控え、建て替えが始まっている。その頃、希林には会いたい人がいた。歌人・岡野弘彦。戦争末期、自爆訓練に明け暮れた岡野は、戦後、伊勢神宮の神に向け「あまりにもしづけき神ぞ 血塗られし 手もてつぐなふ 術をおしへよ」と詠んだ。岡野の話を聞き、再び遷宮真っ最中の伊勢へ。旅は続く……。監督は『人生フルーツ』の伏原健之。「祈り」や「神さま」といった我々の生活と関わる奥深いテーマを静かに描いた、一見ノンビリ、実は歯応えありの注目作だ。96分。



2019
12/21(土)

人生フルーツ 10:00
ヤクザと憲法 12:00

12/22(日)

ホームレス理事長 10:00
死刑弁護人 12:00

12/23(月)

光と影&罪と罰 10:00
人生フルーツ 12:00

12/24(火)

人生フルーツ 10:00
ヤクザと憲法 12:00

12月25日(水)は休館です。

12/26(木)

人生フルーツ 10:00
神宮希林 12:00

12/27(金)

ホームレス理事長 10:00
人生フルーツ 12:00

12/28(土)

ヤクザと憲法 10:00
ホームレス理事長 12:00

12/29(日)

神宮希林 10:00
人生フルーツ 12:00

12/30(月)

死刑弁護人 10:00
ヤクザと憲法 12:00

 

当日券のみ
(1作品)
一 般 1500円
大学生 1400円
中高予 1200円
シニア 1200円
会 員 1300円
学生・シニア会員 1000円

※期間中、複数回ご覧になる一般・大学生・一般会員の方は、2作品目からの入場料金を200円割引きます。