「アニエス・ヴァルダをもっと知るための3本の映画」

 今年3月に映画監督アニエス・ヴァルダが90歳で永眠した。ヌーヴェルヴァーグの誕生前夜から写真家、映画監督として活動を始め、1962年にジャック・ドゥミと結婚し生涯を共にする。1964年『幸福』はベルリン、1985年『冬の旅』がヴェネチア国際映画祭で受賞。フェミニストでチャーミングな人柄と表現への欲求を追い続けたその人生は性の隔たりを超えて多くの映画監督の目標になるだろう。今特集は、遺作と初公開となるデビュー作、未公開ドキュメンタリー作品を網羅する貴重な企画だ。
●アニエスによるヴァルダ Varda par Agnès アラン・レネの薦めで手がけた初長編『ラ・ポワント・クールト』から直前作『顔たち、ところどころ』まで、自身のキャリアやドゥミの最期を振り返る集大成的なドキュメント。119分。
●ラ・ポワント・クールト La pointe courte 監督の故郷、南仏セートの夏を背景に、パリから帰京した若い夫婦の倦怠感と、厳しい生活の中で感情を隠さずに活き活きとふるまう漁村の人々との対照をユーモアとネオ・リアリズムで描く初長編。猫好き監督の面目躍如とばかりに漁村猫が次々とスクリーンに登場し柔らかな肌ざわりを創り出す。80分。
●ダゲール街の人々 Daguerrèotypes パリ14区、モンパルナスの一角にあるダゲール通り(写真の開祖名と同じ)。農村部出身の職人たちの気さくな街は、香水、精肉、ボタン、アコーディオンなどの小売店が立ち並びバゲットとチーズの香りが漂う。この下町の風景と一人一人の佇まいをこよなく愛した監督による絶品の初ドキュメンタリー。79分。



2020
1/25(土)
 〜1/31(金)

アニエス… 11:50
ラ・ポワント 14:05

2/1(土)
 〜2/7(金)

アニエス… 10:00
ダゲール街… 12:20

2/8(土)
 〜2/10(月)

ラ・ポワント 16:50

2/11(祝・火)
 〜2/14(金)

ダゲール街… 16:50

 

前売券
※前売券販売は1/24(金)までです。
1作品
一 般 1500円
3作品
一 般 3900円
大学生 3900円
当日券
一 般 1700円
大学生 1400円
中高予 1000円
シニア 1200円
会 員 1300円
学生・シニア会員 1000円

当館窓口にて3作品前売券をお求めの方、トートバッグプレゼント(数量限定)。