「ジョージア映画祭」

 ジョージア(グルジアGeorgia)はコーカサス山脈の南に位置し、ロシア、アゼルバイジャン、アルメニア、トルコと国境を接している。多様な民族が暮らし、主な宗教はジョージア正教である。ジョージア語では国名をサカルトヴェロという。
 3000年の古い歴史をもち、東西交易の要所であるために他国から度重なる侵略を受けてきたが、今日まで独自の言語、文化を守り通してきた。ロシア帝国から脱却した1918年を独立した年とするので2020は101年にあたる。70年間、ソ連邦に組み込まれていたが1991年に独立を回復する。しかし内戦とともにアブハジア、南オセチアで分離独立の紛争が起こり、国内は混乱した。
 本企画はサイレント期の伝説的な作品から、ソヴィエト時代の名作、独立の混迷を経て蘇った現代ジョージア映画まで15作品、7プログラムを一挙公開。
a 祈り 『希望の樹』『懺悔』と共に1960~80年代のジョージアを綴った大叙事詩三部作として知られる巨星テンギズ・アブラゼ監督の傑作。 19世紀の作家プシャヴェラを原作に、祈りと戦いで生涯を終えるキリスト教徒とイスラム教徒の対立の連鎖から、死後の世界を見据えた非暴力を訴える。78分。
b 陽のあたる町 ジョージア西部に位置するチアトゥラ。かつてマンガン鉱山で栄えた町はソヴィエト連邦解体と同時に終焉を向かえた。時代から置き去りにされたためにむしろ美しいと表現できるほど廃墟化したこの町で生きる人々の思いを静謐な風景の中に描写する傑作ドキュメンタリー映画。104分。
c 〇私のお祖母さん 無声映画時代の伝説的傑作。ソ連体制下、ジョージア映画として初の公開禁止を受け1967年まで未公開だったアナーキーな作風。監督:コンスタンティネ・ミカべリゼ、67分。〇西暦2015年 ソ連時代に活況を呈していたジョージア・フィルム撮影所で当時から働く老職員の姿を通してスタジオへの愛を綴る。監督:ハトゥナ・フンダゼ、10分。
d 〇スヴァネティの塩 無声時代を代表するドキュメンタリー。コーカサス、スヴァネティ地方の過酷な自然に生きる人々を描き、ルイス・ブニュエルの『糧なき土地』に先んじる名作とされる。監督は名作『鶴は翔んでゆく(戦争と貞操)』のミヘイル・カラトジシュヴィリ。44分。 〇メイダン 世界のへそ 首都トビリシ、メテヒ寺院の対岸にある旧市街。再開発で失われる多民族コミュニティを描く。監督:ダヴィト・ジャネリゼ、52分。
e 〇ケトとコテ 今も国民に愛される、歌あり踊りありの絢爛豪華なミュージカルの傑作。監督:ヴァフタング・タブリアシュ・ヴィリ他、90分。
f 〇少女デドゥナ コーカサスの山深い村で父と娘二人暮らしの質朴な生活をドキュメンタリータッチで描く。原作・脚本は『田園詩』『希望の樹』のレヴァズ・イナニシュヴィリ。1985年マンハイム映画祭グランプリ受賞。監督ダヴィト・ジャネリゼ、64分。 〇映像 スヴェネティ地方で村人対象に催された野外上映会を記録。監督、ギオルギ・ムレヴリシュヴィリ、11分。
g 〇少年スサ 韓国チョンジュ国際映画祭グランプリ受賞。独立後混迷期に首都の酒場や賭博場に密造酒を売り歩く少年を描く。監督:ルスダン・ピルヴェリ、78分。



2020
2/8(土)

a 13:10
b 14:45

2/9(日)

e 13:10
d 15:00

2/10(月)

g 13:10
f 14:40

2/11(火)

e 13:10
a 15:00

2/12(水)

c 13:10
b 14:40

2/13(木)

f 13:10
c 14:45

2/14(金)

d 13:10
g 15:00

 

当日券のみ
一 般 1500円
大学生 1400円
中高予 1000円
シニア 1200円
会 員 1300円
学生・シニア会員 1000円

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